《じっくり解説》統一協会とは?

統一協会とは?

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統一協会…

世界基督教統一神霊協会の略称.しばしば「教会」を用いる.<復> 1.沿革.<復> 創始者文鮮明(ムン・ソンミョン)は1920年1月6日(陰暦)朝鮮平安北道に生れる.元の名は文龍明.10歳の頃李龍道の新興宗教に通い,1936年16歳の時,イースターの朝イエスから「2千年前の使命がまっとうされていない.罪の中で悩み苦しむ人類を救ってほしい」との啓示を受けたと言う.1941年春来日,早稲田高等工学校に入学.44年帰国,ソウルで電気技師として働く.45年創造原理・堕落原理・復帰原理をキリスト教の3大原理と説く金百文の弟子となる.46年平壌に帰り布教.50年6月に勃発した朝鮮戦争の前後,「社会秩序混乱」等の事件で入獄したことが伝えられる.52年9月国連軍北上に伴い釈放,釜山に移り布教活動.54年5月ソウルで世界基督教統一神霊協会を組織.57年『原理講論』発行.60年韓鶴子と結婚,この年を「天紀元年」と呼んでいる.<復> 日本には1958(昭和33)年崔翔翼(日本名西川勝)が入国,当初立正佼成会から改宗した人々が中心となって基礎を固め,多くの活動組織を通じて教勢を伸した.宗教法人登録は64年7月である.<復> 2.教義.<復> 旧新約聖書を教典とするほか『原理講論』を基準として以下の教義を有している.<復> (1) 聖書.聖書は真理それ自体ではなく,一つの過渡的な教科書であり時代とともに変らざるを得ない.それ以上の明るいともしび(文鮮明)が現れた時消えゆくものである.『原理講論』は文鮮明が神からの啓示を受け,聖書の未知の事実を明らかにしたものである.<復> (2) 神.被造世界には,陰陽,男女,雄しべ雌しべといった二性関係が見られるが,あらゆる存在の第一原因として永存する二性を備えたものが神である.この二性がよく授けよく受けることを「授受作用」と呼び,神はそれ自体の授受作用によって力を発揮し被造世界を創造した.<復> (3) 人間の堕落.人間が神との授受関係を失いサタンと授受関係を結んで一体となったことを意味する.すなわちアダムとエバが「果実」を食べて神のことばを犯したということではなく,エバがサタンと淫行を犯し(霊的堕落),さらに夫であるアダムと夫婦関係を持つことによって(肉的堕落),サタンの血統を繁殖することになった.<復> (4) 救い—″復帰″.堕落が人間自身の過ちの結果とはいえ,神が人間を創造したため堕落も起り得た.ゆえに神は創造主として責任を負い,創造本然の姿に復帰するよう摂理しなければならない.神は人類の歴史の中でたびたびその機会を計画されたが(ノア,アブラハム,モーセ等)失敗,最大の機会であったイエス・キリストの時も,十字架につけられたため肉身はサタンの侵入を受け,霊的救いのみであった.ゆえに霊肉の救いは終末時における再臨を期待せざるを得ない.<復> (5) 終末と再臨.サタン主権の地上地獄が神主権の地上天国に変る時代を終末と言う.この意味でノアの時もイエスの時も終末であった.共に目的を達せず再臨の時まで延長されたが,第1次大戦終了後から再臨期が始まっているので,現在は再臨終末時代である.すでに″再臨主″は東方の国「韓国」に,初臨の時と同様に肉身をもって到来している.<復> (6) 復活.人間が堕落によってもたらされた死(サタンの主管圏におちた立場)から,神の直接主管圏内に復帰される現象を言う.従って,罪を悔い改め昨日の自分より今日少しでも善に変ればそれだけ復活したことになる.復活による肉身上の変化はないが,心霊の変化により肉身も聖化されていくという意味で,肉身も復活すると見ることができる.肉身を脱いで霊人となった者は,地上人の肉身を身代りに活用して御旨を成し遂げていく.<復> (7) キリストの人格.創世記の「生命の木」とは創造理想を完成した男性,すなわち完成したアダムを指す.しかしその堕落により,人間の希望は次の生命の木(黙示録22:14)にかけられた.これがイエス・キリストである.ゆえに生命の木にたとえられる両者は,互いに何ら異なるところはない.イエスは神と一体となっているので第2の神と言えるが,神自身ではない.<復> (8) 歴史の終り.″復帰摂理″から世界大戦を見ると,内的原因は主権を巡るサタンと神の戦いである.第1次大戦でドイツが,第2次大戦では全体主義で結託した独,日,伊がサタン側であった.人類歴史の終りはサタン側である共産主義圏と天の側の民主主義圏が世界を主管するところまでいくので,第3次世界大戦が必ず起らねばならない.戦いには武器か理念かによる二つの道がある.いずれの道によって成し遂げられるかは,人間の″責任分担″の遂行いかんによる.<復> (9) 責任分担.統一協会はアブラハムからイエスまでを「神の責任分担摂理時代」,イエスから再臨期までを「イエスと聖霊の責任分担摂理時代」,再臨以後の時代を天上と地上の聖徒たちによる「聖徒の責任分担摂理時代」と呼び,至る所で人間自身の責任分担が強く求められている.<復> 3.組織と活動.<復> 文鮮明を頂点として信徒と協会が密接な関連を持ちつつ運営される,多くの活動組織がある.<復> (1) 原理研究会.大学生を獲得するための組織で,ビデオセンターや修練会などの活動を中心にその思想を広めている.統一協会の活動がおもに学生信者によってなされるため名称は流動的に用いられる.その反社会的性格から「全国原理運動被害者父母の会」や「原理運動を憂慮する会」等が生れた.<復> (2) 勝共連合.「国際勝共連合」は1968年1月文鮮明によって結成され,同年4月日本の勝共連合が発足した.統一思想に基づく反共主義の活動を初め,スパイ防止法,憲法9条破棄,教科書問題等の運動にかかわっている.表向きは統一協会の友好団体のようであるが,実態は統一協会の政治活動部と言える.<復> (3) 経済活動.「朝日ブックレット」等によると,印鑑・日常品・化粧品・置き薬など様々な品物の「訪問販売」,ホテル・マンションの一室を利用して宝石類・つぼ・多宝塔などを売る「会場販売」,さらに「〇〇難民救援」「青少年非行防止」や「ひまわり会」「おあしす会」「幸世(しあわせ)いすず会」等々多くの名称を用いての「街頭募金」を資金源としていると言われる.物品販売の折「霊能」や「因縁」を説いたところから「霊感商法」と呼ばれ,その手口と被害が社会的問題となり対策救済の組織が生れた.その他,出版(「世界日報」「宗教新聞」等),教育交流(世界平和教授アカデミー等),また医療や産業など様々な面での活動を展開していると言う.<復> 統一協会のこうした教義や活動に対して,在日大韓基督教会は「統一協会はイエス・キリストを救い主とする肢体に連なる枝ではなく異端である」と内外の諸団体に対して警告を発し(1978年4月),韓国キリスト教協議会でも「統一教はキリスト教ではなく,キリスト教の一派でもないことを明らかにする」との声明を出した(1979年4月20日).日本の教会でも早くから統一協会の間違いを指摘し,その活動の危険性が警告されていたが,文鮮明の指名によると言われる合同結婚式,内部の暴力事件,信者と家庭のトラブルなどが社会に問題視され,一般からも反原理の働きと声の上がる中,教会教団も予防,対策,救出等のために取り組んでいる.→異端.<復>〔参考文献〕世界基督教統一神霊協会『原理講論』光言社;和賀真也『統一協会—その行動と論理』新教出版社,1978;浅見定雄『統一協会=原理運動』日本基督教団出版局,1987;『追求ルポ・原理運動』(朝日ブックレット49)朝日新聞社,1985;『追及ルポ・霊感商法』(朝日ブックレット86)朝日新聞社,1987;クリスチャン新聞編『ドキュメント異端』いのちのことば社,1983.(井出定治)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社