《5分で分かる》記念行事とは?

記念行事とは?

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記念行事…

1.記念行事.<復> 行事とは,毎年同時期にまたは一定の期間をとって,伝統的に繰り返される催しあるいは公的儀礼一般を指す.行事は様々な要素から成り,なかでもその行事が持つ「意味」が重要である.催しが過去の出来事や人々を思い起す記念として行われる場合,それを記念行事と言う.宗教的な意味が深い場合などは「祭」と言われることがある.<復> 2.記念行事の機能.<復> 記念行事は,世界各地において国家的に執行される独立または革命記念行事から,個人が自らの過去の思い出として行う故人の記念会まである.また,ある宗教集団が創唱者と彼が行った業を記念するために宗教的な色彩をもって行うものや,単なる時間的推移の結節点を確認するためのもののように宗教とは無関係に行われるものなど,多種多様の形態が考えられる.しかし,世界各地の行事を見る限り,それが国家行事として挙行されるものでさえ,それらは,(1)宗教儀礼としての意味合いを強く持っている.しかも,その行事を通して,宗教の機能としての,(2)集団の社会的な統合,すなわち秩序づけの機能が暗黙裡に遂行されている.<復> 3.記念行事の種類.<復> 宗教儀礼としての「宗教的行事」の重要性を指摘したのは,社会学者E・デュルケームである.彼は,宗教現象は「宗教信念」と「儀礼」という基本的範疇からなると述べたが,すでに未開社会においても,病気は「悪霊が身体に入り込んで苦痛をもたらした」と考えられ,その悪霊との「宥和」のために「宗教的行事の装置」としての「供物・供犠・祈祷」による「祖先崇拝」や「自然崇拝」などの宗教行事が行われたことを報告している.<復> 4.聖書と記念行事.<復> 聖書にも,毎年の行事が定められ,それぞれ過去の出来事を思い起し,神が人間に何をなされたかを記念するという重要な意味が含まれている.宗教行事においては,厳守すべきことが詳細に定められている.<復> イスラエルには驚くほど多いとされる祝祭の中でも,次に挙げるものが記念行事として記憶されるべきであろう.すなわち,<復> (1) 過越の祭(ユダヤ暦ニサンの月の14日,グレゴリウス暦3—4月.出エジプト12:11‐30,レビ23:5,民数9:1‐5,28:16,申命16:1‐8),<復> (2) 種入れぬパンの祭(ニサンの月の15日から7日間.出エジプト34:18‐20,レビ23:6‐8,民数28:17‐25,申命16:1‐8,16,17),<復> (3) 七週の祭(ペンテコステ,初穂の祭,刈り入れの祭とも言う.過越の祭の第2日から数えて7週間が経過した翌日,すなわち50日目,シワンの月の6日,5—6月.出エジプト34:22,レビ23:15‐21,民数28:26‐31,申命16:9‐12,16,17),<復> (4) 新年祭(ラッパを吹き鳴らして記念する聖会,チスリの1日,9—10月.レビ23:23‐25,民数29:1‐6),<復> (5) 贖罪の日(チスリの10日.レビ16:29‐34,23:26‐32,民数29:7‐11),<復> (6) 仮庵の祭(チスリの月15日から8日間.レビ23:33‐43,民数29:12‐38,申命16:13‐17)などである.<復> 他にも,イスラエルでは,シムハス・トーラー(律法が与えられた喜びを祝う祭,チスリの月の22日,仮庵の祭の第8日目)やハヌカー(宮きよめの祭,キスレウの月25日から8日間,11—12月.ヨハネ10:22,Ⅰマカベア4:52‐61,Ⅱマカベア10:1‐8),またニカノールの日(ユダ軍がニカノール軍を破った記念日,アダルの月の13日,2—3月.Ⅰマカベア7:49),プリムの日(アダルの月の14日,15日.エステル9:21,27,28)などが記念行事として重要視されている.それぞれは,神がイスラエル人の歴史にどのように介入されたかを示しており,過越の祭,七週の祭,仮庵の祭が最も神聖なものとして重視された.<復> 5.クリスマスとイースター.<復> 今日のキリスト教社会で注目すべきは,12月25日のキリストの誕生を記念するクリスマス,主の復活を記念するイースター(春分後の最初の満月の直後の日曜日),聖霊降臨を記念するペンテコステ(主の復活から50日目,イースター後7回目の主日,五旬節とも言う)であろう.これらは,救い主イエス・キリストとの関連において,その行事の「意味」が十分に確認される必要があろう.これらの行事のほかにも,故人の信仰をささえ,主をあかしするために故人を用いられた主御自身をたたえる場としての「記念会」が開かれることもある.これは,決して「祖先崇拝」の場ではなく,主の栄光を現す時とされねばならない.<復> 6.日本の記念行事.<復> 日本の国の記念行事については,日本固有の宗教とされる神道や中国伝来の習俗との結びつきが強いとされている.日本の行事として年中に行われているものは,農耕儀礼と密接に関係した宮廷祭事に従っていたのが庶民のレベルにまで広められたとされている.これらは「習俗化」されて,すでに宗教色がないと主張する向きもある.しかし,根底には根強い偶像崇拝があることを看破すべきである.近年,幾多の皇室行事とのかかわりから国民に宗教行事が強制される危険性がある.これらの各行事の背景にある「意味」を,真剣に考える必要があろう.→教会暦,冠婚葬祭とキリスト者,日本の祭とキリスト者,神道とキリスト教,聖書時代の祭,降誕日,復活節,ペンテコステ.<復>〔参考文献〕E・デュルケム『宗教生活の原初形態』上下,岩波文庫(1941,1942);Harrison, R. K., “Feasts and Festivals of Israel,” Baker Encyclopedia of the Bible, Vol. 1, Baker,1988.(村田充八)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社