《5分で分かる》カトリックの職制とは?

カトリックの職制とは?

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カトリックの職制…

[英語]Hierarchy of the Catholic Church.ローマ・カトリック教会の聖職位階制度は,神学的にも制度的形態においても,様々な歴史的変遷をたどっている.第2ヴァチカン公会議以後の職制も,極めて複雑な過去の歴史的遺産を背後に持っている.<復> 1.ローマ・カトリック教会の見解によれば,教会は,イエス・キリストによって使徒たちとそのかしらであるペテロの上に建てられている.使徒の職務は世の終りまで存続するものであり,彼らは自分の任務を後継者としての司教に委任した.司教は使徒たちの後継者である.司教たちは司教団を構成するが,ペテロが使徒団のかしらとして他の使徒の上に立てられたように,司教団のかしらとして教皇が立てられている.そして司教はその任務を遂行するための助力者として,司祭と助祭を任命する.教皇,その指揮にあって権限を行使する司教,司教を補佐する司祭,司祭を助ける助祭が,ローマ・カトリック教会の上位聖職位を構成している.司教,司祭,助祭は,それぞれ新約聖書における監督(エピスコポス),長老(プレスビュテロス),執事(ディアコノス)の役職を継承するものとされ,朗読者,侍祭などのような按手を必要としない下位聖職位とは区別される.<復> 司教は叙階の秘跡によって,その職務を遂行するための特別の霊の賜物を付与される.司教の様々な権能は司教の叙階に内在すると考えられている.また,司教は他の司教の叙階にも関与し,自分の助力者,協同者である司祭や助祭を叙階する権能を持っている.従って,すべての上位聖職者はキリストと使徒たちからの委任を叙階の秘跡によって継承することにより,任命されていく.<復> これらの聖職位階には,教導,司牧,司祭という三つの権限が与えられている.この権限は,イエス・キリストが預言者,王,祭司という彼自身の三重の職を使徒たちに委任したものを継承するものとして理解されている.聖職者は様々な権限を,全教会と個々の信徒の霊的養育のために行使し,その使命を果すため,生涯独身であることが求められる.<復> 使徒継承の概念に支えられた聖職者の位階的秩序とそれぞれの権能はローマ・カトリック教会の教理の重要な一部分を構成しており,これを否定することはカトリック教会の信仰に背くことになる.信徒は彼らを尊敬し,彼らの教えを受け入れ,その指導に服従しなければならない.<復> 2.教皇は,枢機卿という高位聖職者によって組織される枢機卿会によって,枢機卿の中から選出され,全ローマ・カトリック教会の統一の可見的な基礎である.教皇は他の司教たちとともに司教団を構成しているが,ペテロの後継者として,ローマ・カトリック教会に属するすべての権限を統括している.そしてペテロの首位権を継承する者として,カトリック教会の中で最終的な教導,司牧,司祭権が付与されている.すべての司教の任命権も彼の内にあり,司教団がその権限を行使する場合にも,教皇の同意と承認という条件に拘束されている.さらに公会議の召集,司会,確認の権利を持ち,その他にも枢機卿の任命,教皇使節の派遣など多くの権限が与えられている.<復> 教皇によって任命された司教は,教皇とともに教会全体を代表し,全教会を地域的に分割した部分教会の一致の可見的な基礎である.司教は総大司教,首都大司教など種々の聖職者から構成されているが,全教会的な立場から,それぞれの権能に応じてその教導,司牧,司祭権を行使し,配下の者に対して使徒的活動と儀式に関するあらゆる事柄を調整する権利と義務を有している.また自分に従属する司祭や助祭を叙階する権能を与えられている.教皇の教導権の不謬性は司教団にも付与されており,司教たちはこの権利に基づいて,カトリック教会の教理と道徳を教え,またそれらを擁護する責任が与えられている.<復> 司教によって叙階された司祭は,司教の司祭職に参与する.司祭は主として各個教会において,福音を宣教し,聖体祭儀(ミサ)や悔悛の秘跡(ゆるしの秘跡)を執行する権限が与えられている.<復> 助祭には,福音の宣教,儀式の執行,愛のわざにおいて司祭の働きを助ける職務が与えられている.<復> プロテスタントの諸教会は,使徒と同じ権威を持つ教皇と司教団,及び叙階によってのみ付与される排他的な霊的特権を持つ司祭と助祭から成り立っているローマ・カトリック教会の位階的秩序の全体を認めていない.大多数のプロテスタントは,使徒の職務は現在では聖書に取って代られていると考え,使徒継承という概念は聖書的根拠を欠くとする.また教会のすべての権限を教皇という一人の人物に集中させることは,新約聖書の時代のペテロの役割とも一致しない.さらに根本的に問われなければならないことは,特別な賜物を持った教会の霊的指導者に関する新約聖書の記述が,現在の教会の職制に関して,唯一の究極的・普遍的な形態を決定するほどの規範性を有するか否かということである.→カトリック・カトリック教・カトリック教会,教皇,職制,教会政治.<復>〔参考文献〕南山大学監修『第2バチカン公会議・公文書全集』中央出版社,第3版1989;岩島忠彦『キリストの教会を問う—現代カトリック教会論』中央出版社,1987.(多井一雄)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社