《5分で分かる》スイス信条とは?

スイス信条とは?

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スイス信条…

スイス信条と呼ばれるものには二つある.一つは第1スイス信条で,第2バーゼル信条とも呼ばれる.他は第2スイス信条である.<復> 1.第1スイス信条.<復> [ラテン語]Confessio Helvetica Prior,[英語]The First Helvetic Confession.この信条は1536年にバーゼルで作成された.<復> シュトラスブルク(ストラスブール)の宗教改革者ブツァーとカーピトは,ドイツのルター派とスイスの改革派の間を取り持ち,この信条誕生に貢献した.チューリヒ,ベルン,バーゼル,シャフハウゼン,ザンクト・ガレン,ミュールハウゼン,ビール諸州の当局が派遣した神学者がバーゼルのアウグスティーヌス修道院に集まり,1536年1月30日に会議を開催した.そこに集まったおも立った者はブツァー,カーピト,チューリヒのブリンガーとレーオ・ユート(ユデー),バーゼルのミュコーニウスとグリュナエウス,ベルンのメガンダーである.(前二者は信条作成の上で決定的な影響力を与えたが,決定権は持っていなかった).この会議においてブリンガー,ミュコーニウス,グリュナエウスがラテン語で信条を書き,レーオ・ユートがドイツ語に訳した.2月には会議出席者全員で検討し署名の後,まずラテン語で出版した.レーオのドイツ語訳もラテン語版と同等の権威あるものと認められた.<復> これは国家的権威によって承認された最初の改革派信条であり,短い28章から成る.1—5章は聖書,6章は神,7—8章は人間・堕落・原罪,9章は自由意志,10—13章はキリストの人格と働き,14章は信仰,15—20章は教会,21—24章は礼典,25章はアディアフォラ,26章は対再洗礼派,27章は現世の為政者,28章は結婚を扱っている.<復> 2.第2スイス信条.<復> [ラテン語]Confessio Helvetica Posterior,[英語]The Second Helvetic Confession.この信条は1566年にブリンガーが作成した.彼はオランダとケルンで教父学とスコラ神学を学び,ルターの著作とメランヒトンの『ロキ・コンムネス』(神学総論)にも接し,影響を受けた.帰国後はツヴィングリと知り合い,彼がカッペルで戦死した後はチューリヒのグロース・ミュンスター教会の主任牧師に迎えられた.また,ヨーロッパ諸国の改革者とも親交を持ち,ドイツ語圏のスイス諸州の改革者の指導的位置を占めていた.ブリンガーは1562年に個人的な目的で,自分の信じるところを信条にして表明した.そして自分の死後,この信条をチューリヒ市当局に提出するようにと遺言していた.<復> このように,あくまでも個人的なものとして作成したのであるが,ドイツのプファルツ選帝侯フリードリヒ3世の要請により公にされることになった.(選帝侯はルター派から改革派に変った人物で,ハイデルベルク教理問答の生みの親でもある).1565年フリードリヒ3世はブリンガーに改革派信仰を明確にする解説書を書くように要請した.それはルター派から異端になったと非難されていたのに答えるためであった.そこで彼が作っていた信条の写しを送ると,侯は大いに喜び,1566年アウグスブルクで開催される帝国議会前にそれのドイツ語版とラテン語版を作成することを望んだ.<復> この頃スイス側でも,プロテスタント諸州の一致のためにふさわしい信条が求められていた.第1スイス信条は,ルター派の影響が見られるとして改革者の中には不満の者もいた.その他にも幾つか信条はあったが,全体の一致を実現するものとしては不十分であった.そこで会議が開かれ,ブリンガーの作成した信条にいくらか手を加えた後に改革派諸州全体の信条にすることが承認された.こうして1566年3月12日に公費で出版されたのである.これには選帝侯とルター派のヘッセン方伯フィリップ宛の序文が付されている.間もなくジュネーブでは,ベーズ(ベザ)の世話でフランス語訳も刊行された.フリードリヒ選帝侯はこの信条をもって自己の信仰を堂々と弁護し,もはや異端者と呼ばれることはなくなった.第2スイス信条はやがてポーランド,ハンガリー,スコットランド,フランスの改革派教会によっても承認された.<復> この信条は,本質的には第1スイス信条を再陳述し発展させた30章から成り,改革派信仰は代々にわたって信じられる公同教会の信仰と一致するという信念が表明されている.神学的功績という点からも第一級のものであり,実用の面からも他の優れた信条及び問答書に勝るとも劣らないものと言われる.→改革派,カルヴァン主義.<復>〔参考文献〕Schaff, P., The Creeds of Christendom, Vol.1, Harper & Brothers, 1931 ; M’Clintock/Strong (eds.), Encyclopedia of Biblical, Theological and Ecclesiological Literature, Vol.4, Harper & Brothers, 1896.(泥谷逸郎)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社