《5分で分かる》フランシスコ会とは?

フランシスコ会とは?

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フランシスコ会…

1209年アッシジのフランチェスコ(フランシスコ)により,清貧と説教活動を目的に創立された托鉢(たくはつ)修道会.[ラテン語]Ordo Fratrum Minorum(小さき兄弟たちの修道会)と自称する.<復> 1.創立者.<復> 同会は,今なお全世界で敬愛される創立者ジョヴァンニ・フランチェスコ・ベルナルドーネ(通称アッシジのフランチェスコ.彼がフランチェスコと呼ばれたのは,フランス語やフランス文学に通じていたからとする説と父ピエトロによる命名とする説がある)に負うところが多い.富裕な家に生れ,青年時代は騎士にあこがれ,詩作を好み快楽を求めたが,捕虜生活,聖なる幻,ローマへの巡礼と托鉢,ハンセン病者との出会いなどを経つつ,20代前半に回心を経験した.1207年アッシジの荒廃したサン・ダミアーノ聖堂で聖堂修築の召しを聞き,家財を当てようとして父の激しい怒りを買う.以後,血縁を絶ち,マタイ10:9,10を文字通り実践して清貧,愛,兄弟の交わりを生活様式とし托鉢を続けて聖堂を修築し,貧しい人々の救済にも当った.信徒として説教活動を続け,周囲に集まってきた11人の同志とともに「小さき兄弟たち」を形成し,1209/10年教皇インノケンティウス3世から会則認可の口約を得た.1212年クラーラ(キアーラ)が参加して修道女が増え,「貧しきクラーラたち」という第2修道会を創設した.聖地やスペインへの宣教は難破や病気で果せなかったが,1219年にシリアとモロッコ,さらに第5回十字軍が攻撃中のエジプトへ赴いてイスラムのサルタン,メレク・エル・カミールへ伝道を試み,感動したサルタンが聖地巡礼の許可を与えたとの逸話が残る.その後,会士増加による組織化の急務や修道会内紛の報で帰国し,代理者に会の運営を任せて自らはアルヴェルナ山中に退修し修道生活に没頭した.1224年に十字架の聖痕を受けたとされる.改訂会則がホノーリウス3世に認可され(1223年),修道会活動は軌道に乗る.けれども元来,組織の強化を目的としない彼の霊的意図と,会の拡大との間隙は広がる一方であった.彼はますます会の運営から離れるが,巡回説教の旅で眼を病み失明した.その試練の最中,『太陽賛歌』(Carmen solis)を書き,「小鳥への説教」に示される,組織や対立を越えた神の雄大な創造の世界を賛美した.1226年10月3日同志たちにみとられ,大地に伏す無一物の姿で召された.伝記『聖フランチェスコの小さき花』の優れた内容は,彼の精神が広く継承された例証の一つである.<復> 2.会の発展.<復> フランチェスコは死の直前,「遺言状」を教皇庁に提出して彼の初志を訴えた.しかし,彼の訴えは認められず,死後4年を経ると修道会は財産所有を教皇庁より許可された.それを支持する多数派,コンヴェントゥアル派(Conventuals)と,厳格派または原始会則派(SpiritualsまたはFraticelli)の対立が激化した.13世紀,ドミニコ会に倣う会憲が採用され管区組織と教育体制が整備された.対立は修道会第2の創立者と言われる総長ボナヴェントゥーラの登場によって中断され,修道会は宣教と教育の両面で大いに貢献した.しかし彼の死とともに対立は再燃し,14世紀以後,厳格派は急進化して異端への道をたどり禁圧された.多数派の規律弛緩もあったが,14,15世紀には相次いで改革運動が起り,この派の流れをくむカプチン派は18世紀にイエズス会に並ぶ大勢力となった.<復> 一方,クラーラは,フランチェスコの初期の精神を盛る会則の認可を求め続け,その第3会則で目的を達していた.この第2修道会はコッレト派,コンセプショニスト派,クラーラ・カプチン派,厳格クラーラ派などを生むが,20世紀半ばには650以上の女子修道院を有している.また,一般信徒のための第3修道会(1221年にフランチェスコによって創設された)は,教育,慈善,宣教活動に励む信徒運動として活躍した.1960年代には4百万人を数えるに至っている.<復> フランシスコ会は,創立者の激しい宣教精神を継承して全世界に拡大し,中国などアジア各国やアフリカ諸国でも活動した.わが国のキリシタン史を見ても,その勢力の大きさがうかがえる.再来日は1907年で,1977年,「小さき兄弟会」日本聖殉教者管区が設立された.世界的には1897年に各派が統一されたが,原始会則派(Observants,2万1千人,1985年現在)を初め,コンヴェントゥアル派とカプチン派の3派が主要な派を構成し,宣教,教育,社会の各分野で貢献している.→フランチェスコ,修道院制度,ボナヴェントゥーラ.<復>〔参考文献〕O・エングルベール『アシジの聖フランシスコ』創文社,1969;今野国雄「フランシスコ」『ブリタニカ国際大百科事典』TBSブリタニカ,1988;Clouse, R. G., “Francis and the Franciscan Tradition,” New Dictionary of Theology, IVP, 1988.(岩本助成)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社