《5分で分かる》教会復興とは?

教会復興とは?

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教会復興…

なじみの薄い言葉であるが,英語チャーチ・リニューアルの翻訳である.「教会のリバイバル」あるいは「教会活性化運動」とでも訳したほうがその内容がよくわかるだろう.これは,古い時代には信仰復興,信仰覚醒運動などと呼ばれた現象で,特に20世紀後半,北アメリカにおいて盛んになった.教会を改革し,活性化しようという様々な運動をまとめて指すものである.これには,クルセードなどの大衆伝道,個人伝道を奨励する様々な運動,青年の覚醒運動,「働く信仰」運動,カリスマ運動(あるいは新ペンテコステ運動),教会成長運動などが含まれる.また20世紀後半における福音派(エバンジェリカルズ)の伸展も,広い意味ではこの運動の一部と考えられる.<復> この言葉の概念や使い方は人によってかなり違っているが,教会が新しくされることが必要だと考える点では共通している.中には既成の教会には活性化の可能性がないとして,既成の教会を否定する方向に走った者もあったが,一般的には,既成の教会の活性化は可能であり,御国を前進させるための中核的な手段として神に用いられる,という楽観的な展望がある.<復> しかし教会を活性化しようとする努力は新しいものではない.古くは修道院運動から始まって,宗教改革,清教徒運動,敬虔主義,メソジスト運動,北アメリカの大覚醒に至るまで,みな教会を活性化しようとする努力であった.興味深いことに,現代の教会復興に見られる下記のような特徴は,みなそういった過去の運動にも見られるのである.<復> 現代の教会活性化運動の最も際立った特徴は,聖書中心ということである.それは個人の信仰生活から学問的活動に至るまで,この運動のあらゆる面に現れている.聖書の真理と権威が強調されることはもちろんであるが,信仰的立場のよりどころや神学研究の対象としてよりはむしろ,人生の道を照らす光として,また聞いて従うべき神のことばとして受け取られている.<復> 祈りと敬虔な生活は,この運動のもう一つの主題である.祈りは,可能性を受け入れるといった静的・消極的なものではなく,祈りを通して実際に神の人間生活への超自然的な介入があり,また神の無限の富と力を受けることができるといった具合に,非常に積極的なものとして受け取られている.また敬虔な生活とは,新約聖書でぶどうの木と枝,いのちのパンなどで表される,神との深い人格的な関係のことである.それはいつの時代においても,活力に溢れたキリスト教の源泉であった.そこからキリスト者の奉仕や交わりやこの世での働きが出て来,また信仰者の共同体が生れてくるのである.そういう種類の信仰は,多くの教会の死せる正統主義や浅薄な実用主義とはあまりにも対照的である.<復> それと関連して聖霊の強調がある.教会の活性化のエネルギー源として,聖霊の実と賜物の両方が強調される.<復> この運動の一つの特徴は,信徒の働きである.信徒が見物人であり受け身であるパターンとは対照的に,礼拝,カウンセリング,伝道,社会的活動などの分野で信徒が主体となって奉仕する.そこでは教職者は聖書の権威ある解釈者としてよりはむしろ,信徒を生かす人,コーチとしての役割を果す.<復> 小グループもこの運動の特徴の一つである.過去の信仰復興運動にも敬虔主義運動の「教会内の小教会」やメソジスト運動の「クラス」などのような小グループがあったことは,あまり知られていない.しかしそれらの小グループは,聖書研究,祈り,相互の扶助と責任,伝道と奉仕といった外部への働きなどの機能を果し,それらの運動の基盤となっていたのである.<復> またこの運動は個人伝道を非常に活発にした.高度にシステム化された個人伝道プログラムと,キリスト者の自由で自発的なあかしの両方が共存しているのが特徴である.<復> 教会復興運動は人の全体的な必要に対する感受性を刺激し,社会的関心と行動を高めた.そのように人の霊的・肉体的必要に深い感受性をもって答えていくのが,実は聖書的な伝道のあり方である.それが20世紀になって社会的関心と切り離された形で伝道が考えられるようになっていたのを,もう一度本来のあり方に戻したのである.しかし人の社会的な必要に取り組んでいこうとすると,社会の構造に根差す悪の問題にぶつからざるを得ない.それを攻撃することが社会的キリスト教の大きな関心であったが,この運動も将来,個人の道徳的な問題と同じく,社会の構造的な悪の問題にも目を向けていくことだろう.<復> しかし社会的関心が高まってくると,祈りや敬虔な生活,あるいは,伝道などとのバランスがとれず,関心がばらばらになる傾向が出てきた.そこでそれを防ぐために,全体論的なキリスト者のあり方が一つの主題として取り上げられるようになった.祈り/デボーション,伝道,社会的関心/行動,厳格な知的努力のバランスがとれたキリスト者こそ,現代社会が求めているものであろう.→信仰復興,大覚醒,伝道,教会成長運動,キリスト者の社会的責任.(鷹取裕成)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社