《5分で分かる》対人関係とは?

対人関係とは?

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対人関係…

1.重要さ.<復> 人間は社会的存在であり,望むと望まないとにかかわらず,人と人との間に何らかの関係が生じ,また,形成される.そしてこの「関係」がうまくいくかいかないかが,その人の人生(生活)の幸—不幸を大きく左右するのである.従って,対人関係の重要さは決して強調しすぎることはない.<復> 教会やその関係領域における人間関係についても同様である.例えば,教会を離れた人や教会に帰った人の体験調査等の結果は,このことを物語っている.<復> 2.意味.<復> より広義の「人間関係」の一面である.人間関係には,形式的(フォーマル)なものと非形式的(インフォーマル)な,任意のものとがある.例えば,前者は集団成員の一員として持つ関係で,職場では上司—部下,学校では校長—教員,教会では牧師—信徒などに見られるものであり,いろいろな種類の規定や社会的通念などに影響を受けながら存する関係である.<復> 後者は,個人的要因によって生じ,形成される他者とのかかわりであり,これが一般に言われる対人関係である.<復> 3.理解.<復> 個人的な要因によって生じる対人関係は,その個人の気質や性格,知識や経験,興味などによって特色付けられるため主観的であり,加えて,「社会—内—存在」としても影響されるため実に複雑である.<復> (1) 一般的理解.対人関係の基軸のとらえ方はいろいろある.よく言及される考えの一つは,二次元にとらえ,「支配—服従」の縦の関係と「受容—拒否」の横の関係を基軸とするものである(→図1).<復> もう一つの考えは,感情的側面に焦点を合せるもので,「好き—嫌い」,「優越—劣等感」などを基軸とする(→図2).<復> さらに対人関係の理解は,その「もつれ」の解決をも考慮に入れる時,その関係の準拠している意識や考えと,それが実際に,なぜそのように生起し,形成されていったかという,原因や過程の心理的メカニズム(機制=仕組と動き)まで含む必要がある.心理学では,「対人知覚,対人態度,対人行動」として分析・吟味されることを知っておくことは参考になろう.<復> 対人関係の一般的パターンは,肯定的,好意的なもの,否定的,嫌悪的なもの,それに,中間的なものに大別され,そのおのおのの結果は,当人の心身と生活に大きな影響を及ぼす.<復> (2) キリスト者としての理解.キリスト者も人間である限りは「社会的存在」であり,「心理的存在」である.従って,上記の一般的理解の外にあるものではない.確かに,キリスト者は「霊的存在」を認め,また神とのかかわりを持ち,「自己」を超えた考えや行動へと進む可能性を持っている.しかし,生来の罪深さのゆえに,キリスト者であっても容易には聖霊の働きに服従できないため,多くの場合,一般的理解によって分析・吟味され得る状態であることは否定できない.キリスト者の対人関係の特質は,「救われた罪人」という,キリスト者の特質そのものに起因する.そこには,生来の罪深い性質(古い人,古い性質)と救われて与えられた新しい人(新しい性質)の両方を持つという,性質の二重性がある.そして,キリスト者の対人関係も,この影響を受けている.図3のように図解できよう.<復> (a)は,両者が新しい性質(人)を基礎にした場合の例であり,これこそ霊的な,望ましい対人関係の形成を保証する.(b)は,Aが新しい性質に立っても,Bは古い性質によって対応する関係であり,(c)は,同じ関係であるが,AとBのよりどころが入れ替っている場合である.(b),(c)どちらの場合も共に喜べる対人関係になることは困難である.(d)は,両者共に古い性質によって対応する例であって,その関係は肉的であり,肉的関心で一致することがあるとしても,大部分は共に喜び,また主なる神にも喜ばれ,祝福されることはない(参照ガラテヤ5:19‐21「肉的」,5:22‐26「霊的」).教会内の問題のほとんどは,(b),(c),(d)のいずれかの関係で生じているのである.ただし,(b)と(c)の場合にはもう一つの可能性を含んでいる.それは,A(B)が古い性質によってB(A)に相対した時,B(A)が新しい性質によって応答することによって,両者の関係が(d)になることはなく,望ましい(a)に変えられていく可能性である.聖霊の助けを祈り求め,みことばに立って歩むことを心がける時,キリスト者の対人関係はいつでも,理想的な方向に変えられ,祝福を分ち合うものとなることができるのである.→聖徒・聖徒の交わり.<復>〔参考文献〕南博編『現代人の心理学』河出書房,1964;豊原恒男他編『人間関係の心理学』ダイヤモンド社,1973;宮城音弥『新・心理学入門』岩波新書,1981;C・M・ナラモア『人と人を結ぶもの』いのちのことば社,1971.(小助川次雄)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社