《5分で分かる》教籍とは?

教籍とは?

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教籍…

1.教籍とは.<復> キリスト教会に正式に所属することによって生じる教会員としての籍のことで,通常は教会員原簿・教籍簿などと呼ばれる教会の正式な記録簿に,本人の信仰歴(入信・バプテスマについての記録など)が記され保存されている.教会に正式に入会・所属するということは,信仰の告白に基づくバプテスマ,あるいは転入会によるものが普通である.<復> 2.教籍の信仰的意義.<復> 教籍とは,単なる会員名簿的な事務上のものだけではなく,信仰的・霊的な意味を持っている.(1)バプテスマは,キリストにつく者となり,天国国籍を与えられたことの地上的告白である.(2)正統的な教会は,用語に相違はあっても,教会の持つ二重の性質を告白している.すなわち「唯一の聖なる公同教会(使徒信条)・不可見的教会」と「一地域の信徒の集りである教会(ローカルチャーチ)・可見的教会」の二つである.一人の人が教会員になるということは,この二重的性質を持つ教会の一員として加えられ,籍を与えられるということであり,それによって特権と責任(神に対して・教会に対して・この世に対して)が生じるのである.従って責任ある教会間における信徒の移動の際には,正規の転会状による転出・転入が行われる.<復> 3.教籍の内実の多様性.<復> (1) バプテスマの名称・対象・様式に相違があり,本質的に信仰に基づくバプテスマの目指すところは同じであっても,「誰が会員か」ということには違いが見られる.ことに,本人の信仰告白に基づくバプテスマのみを認める立場がある一方で,両親や教会の信仰告白に基づき,恵みの契約のしるしとして幼児洗礼を実施している教団・教派も少なくない.後者の場合は,堅信礼などによってその幼児洗礼の意味が実効を見るに至るのである.<復> (2) 記録上の教籍についても,内実はいろいろある.信仰の告白に立って所属教会との健全な関係が保たれている会員は,現住陪餐会員(第1種会員)と呼ばれる.教会とのかかわりが疎遠になり,会員としての責務が久しく果されない場合には,その会員は別帳会員(第2種会員)などという名称をもって分類・整理されることが多い.<復> 4.教籍にかかわる(現代的)課題.<復> (1) 教籍及び教会所属・出席教会については,日本のキリスト教会は,一般的に言って重視する傾向がある.責任性(教会・信徒双方の)の面からは,極めて好ましいことであるが,教会の運営面・個人の信仰生活面の双方において(ことに複雑化する現代日本の社会においては),幾つかの課題をはらんでいるのも事実である.<復> (2) 勤務の都合で数年ごとの転勤,もしくはこれに対応するための単身赴任が少なくない中で,教籍はどのように扱われるべきか.至る所で客会員・準会員であってよいのだろうか(各教会にとっても,本人にとっても).住宅事情などから,所属教会への距離が極めて遠いところに転居した場合の出席教会・教籍の望ましいあり方は,何であろうか.<復> (3) 大都会へ地方市町村からの流出が頻繁になりつつある現代において,教会員の流出も同様に多く見られる.この時の教籍・会員としての責務のあり方というテーマもある.逆に故郷に帰ったようなケースでは,どうであろうか.<復> (4) 福音派の協力関係がますます進む中で,会員理解(ことにバプテスマの名称・対象・様式において)の相違を持った教会間の転入会は,どのように行われるべきであろうか.エキュメニカルな運動を重点的に行っているWCC(世界教会協議会)においては,このテーマはカトリックをも含んだものとなっており,久しい間話し合い,対話を重ねて解決の途を模索しているのが実状である(WCC信仰職制委員会の1974年「アクラ文書」,1982年「リマ文書」を参照).<復> 5.戒規.<復> 教憲・条例・規定などを持つ教団・教派は,戒規・懲戒の項を設けている.<復> (1) 戒規の目的は,教会の純粋性の保持,建徳及び本人に徹底した悔い改めによる再出発を促すことである.<復> (2) 表現に多少の違いはあるものの,その主なるものは「戒告(譴責)」「陪餐停止などによる謹慎」「除名」の3段階が一般的である.ことに除名処分は,神と聖なる教会を汚す具体的な行為・行動に対して,教会が慎重な検討の結果下す極めて重いものである.これにより本人は,教籍をも失うことになる.ただし本人の真底からの悔い改めとそれにふさわしい実を見る時,一定期間の後に回復の可能性を残している教団が多い.→教区,教会戒規.(竿代信和)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社