《5分で分かる》献身とは?

献身とは?

献身…

神の召命に応えて,神の御旨のままに生きるべく,自らの意志を明け渡して,その身をささげること.<復> 1.狭義の場合.<復> ある人が,何かの職業,立場,身分を持っていたが,それを捨て,そこを離れて,特に神の家,神のみことばへの奉仕に,その生涯をささげることを意味する.<復> (1) 旧約聖書の例.(a)モーセは,ミデヤンの荒野で羊を飼っていたが,燃える柴の中から語られた主の召命に応じて,イスラエル救出の使命のために,40歳からの生涯を神にささげた(出エジプト3章).(b)ギデオンは,ミデヤン人を恐れ,酒ぶねの中で小麦を打っていたが,主の使いの召命に応えて,神の民の救いのために立ち上がり,その身をささげた(士師6:11‐40).(c)イザヤは,ウジヤ王の死んだ年に,親しく主の顕現に接し,汚れをきよめられ,反逆の民イスラエルへの宣教のため,その身をささげた(イザヤ6:1‐8).(d)エレミヤは,青年時代,神のことばに接し,神の命ぜられる所へはどこにでも行き,主の語られることは何でも語るという使命に,その生涯をささげた(エレミヤ1:1‐10).(e)アモスは,ユダで牧者として,またいちじく桑の栽培者として生活していたが,「イスラエルに預言せよ」との召命に従って,主のことばを宣べ伝える者とされた(アモス7:14‐17).(f)ヨナは,主の命令に聞き従わず,逃亡しようと企てていたが,大魚の腹の中で悔い改め,ニネベ宣教のため,その身をささげた(ヨナ1‐3章).<復> (2) 新約聖書の例.(a)ペテロたちは,ガリラヤの漁師であったが,主イエスの召命に応じ,「人間をとる漁師」として,その生涯をささげた(マタイ4:18‐22,マルコ1:16‐20).(b)取税人マタイは,主の召命に応えて,収税所を後にし,イエス・キリストに従った(マタイ9:9).(c)パウロは,教会の迫害者であったが,復活の主にお会いし,その召命に従って,宣教のためその身をささげた(使徒9:1‐19,22:1‐21,26:5‐20).<復> (3) 教会史上の人物.これは枚挙にいとまがないが,アウグスティーヌス,ルター,カルヴァン,ウェスリ,スパージョンなどの例が挙げられる.<復> 2.広義の場合.<復> 直接,神のことばの宣教に携わらないとしても,神の民はすべて,神のみこころに生きるべく,その身をささげることが求められている(参照ローマ12:1).<復> (1) 旧約聖書の例.(a)エステルは,王妃の身分を離れたわけではなかったが,ユダヤ人を救うため,身命を賭(と)して,王のもとに行き,とりなしの使命を果した(エステル4:16).(b)シャデラク,メシャク,アベデ・ネゴの3人は,王の厳命に逆らっても,主に従おうと,命をかけた(ダニエル3章).<復> (2) 新約聖書の例.プリスカとアクラは,いわゆる「献身者」ではなかったが,教会のため,パウロのため,その身をささげていた(ローマ16:3,4).<復> (3) 教会史も,神に身をささげたレイマン(一般信徒)の働きが,どんなに大きな位置を占めているかを物語っている.これら神の民は,まず,回心して主のものとなり,強力なサタンの力,世の力,肉の力の攻撃の中に,神のしもべ,義の奴隷としてその身をささげ(ローマ6:12‐23),聖霊に満たされて生きることを学んだ人々である.<復> 3.特別の場合.<復> パウロは,異邦人への宣教の目的を述べて,「それは異邦人を,聖霊によって聖なるものとされた,神に受け入れられる供え物とするためです」と言っている(ローマ15:16).旧約における祭司が,動物のいけにえを神にささげたように,異邦人という「供え物」を神にささげるために奉仕している,と述べているのである.<復> 4.イエス・キリストの場合.<復> 1.—3.までのあらゆる場合を通じて,そこには,「イエス・キリスト御自身の献身」という基礎が据えられている.キリストは,その生涯を「仕える者」としてささげ尽し,また,十字架にかかって,その身を贖いの代価とされた(マタイ20:28,マルコ10:45,ピリピ2:6‐11).これが泉となって,そこから,他のあらゆる種類の献身がわき出るのである.→召命,奉仕.(岩井 清)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社