《5分で分かる》神人同型論とは?

神人同型論とは?

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神人同型論…

[英語]Anthropomorphism.神を擬人化して表現すること.神人同型法または擬人神観とも言う.神の本質としての霊なる神を,有限である人間が理解することができるように用いられる.Anthropomorphismは,[ギリシャ語]anthro~pos(人間)とmorphe~(形)からなる合成語であって,神と人とが同質であるということではない.<復> 聖書の中では,神の神格を人間のからだの部分や感情を表すことばを用いて表現することがしばしばある.神の手,神の目,神の怒り,神の愛などについて言及することはすなわち神御自身を擬人化して表すことになる.神についての人間の不完全な認識を補うものとしてこの方法がとられる.この方法を二つのタイプに分けることができる.人間のからだの部分を用いて神のわざを象徴的に(figuratively)示すものと,人間自身の中に見出されるあらゆる人格的反応または応答のかたちをとって神御自身の意志を直接的に伝達するものとである.<復> 1.人間のからだの働きによる神人同型論.<復> 神の働きを人間のからだの機能をもって象徴的に表している例は旧新約聖書の中に非常に多く見られる.神の足(創世3:8,出エジプト24:10),神の手(出エジプト24:11,ヨシュア4:24),神の口(民数12:8,エレミヤ7:13),神の心(ホセア11:8)など.<復> 最初の人間の創造の記事において,神は「土地のちりで人を形造り,その鼻にいのちの息を吹き込まれた.そこで,人は,生きものとなった」(創世2:7).さらに,「そよ風の吹くころ,彼ら(アダムとエバ)は園を歩き回られる神である主の声(音)を聞いた」(同3:8).神は,あたかも人間のひとりのように描写されている.<復> 詩篇の著者もしばしば擬人法を用いて神のみわざを表している.例えば,詩篇18篇において主の怒りを次のように表現している.「煙は鼻から立ち上り,その口から出る火はむさぼり食い,炭火は主から燃え上がった」(18:8).「主は天に雷鳴を響かせ,いと高き方は御声を発せられた」(18:13).「主よ.あなたのとがめ,あなたの鼻の荒いいぶきで」(18:15後半).「その目は見通し,そのまぶたは,人の子らを調べる」(11:4後半).預言者エゼキエルは,人間の姿に似た神が王座に座しているのを見た(エゼキエル1:26).ヨハネの黙示録にはこの象徴が繰り返されている(4:2,3).<復> しかしながら,ここで神の擬人化を強調しすぎないように注意する必要がある.神が現実に人間のからだを有しているということでは決してない.詩篇では神の目について繰り返し触れられているが,人間の目を造られた神は人間をも含めてすべての被造物よりも劣る方ではなく(詩篇94:9),神の子たちに伸される手は海の果てにまで及ぶのである(同139:9,10).<復> 2.人格に基づく神人同型論.<復> 人間が神のかたち(The image of God)に似せて創造されたという事実は,人間に神との人格的な交わりを可能にさせたと言うことができる.人間はそれによって生の意味を知る.これは,神が単なる抽象的な概念や自然の一部ではなく,生ける人格であって歴史を支配し,歴史に生命を与える全能者であるからこそ可能なのである.聖書が神について繰り返し語ることは,神は生き,活動し,語りかけ,愛し,考え,さばくということである.チャールズ・ホッジは神の人格について次のように説明する.「私たちは神は霊であり,全知であり,道徳的卓越性を持ち,全能であることを知る.さらに,神は愛し,あわれみ,赦すことができる方であるので,私たちに聞き,私たちの祈りに答えて下さる方であることを知る.ちょうど私たちの父母を確実に知ると同じように私たちは神を知る.誰もこの知識を私たちから取り去ることも,あるいはそれは知識ではなく単なる不合理な信念にすぎないと私たちを説得することもできない」(Hodge, C., Systematic Theology, Vol. 1, p.360, 1872).(丹羽 喬)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社