《5分で分かる》クリスチャン・リコンストラクションとは?

クリスチャン・リコンストラクションとは?

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クリスチャン・リコンストラクション…

[英語]Christian Reconstruction.福音的な改革派神学に立って現代アメリカの道徳的・社会的再建を説く改革運動.現在,南北戦争後に登場した″南部再建論″よりもラディカルと言われているアメリカ再生論の提唱で注目を浴びているのがこの運動である.1987年2月20日号のChristianity Todayがこの運動を特集している事実は,この運動の影響の大きさを物語っていると言えよう.<復> この運動を取り仕切る頭脳・指導集団の中心に,R・ラッシュドウニィがいる.彼はThe Institute of Biblical Law,1973を初め30冊以上の著者であり,『ニューズ・ウィーク』誌によると「宗教的右翼のシンク・タンク」と言われている.また,幅広い活動を行っているカルケドン研究所所長,Journal of Christian ReconstructionとChalcedon Reportの編集者であり,しばしばテレビにも出演し国内外各地でセミナーを開催している.もう一人のリーダーは,カリフォルニア大学より経済史の分野で博士号をとった奇才ゲアリー・ノースである.彼はキリスト教経済研究所を主宰し,ジェネバ・ミニストリーズ,ドミニオン出版社などと関係を持ちながら精力的に活躍しており,著書も10巻から成る“Biblical Blueprint Series”やTools of Dominion,1990を初め30冊を超え,「モラル・マジョリティ」運動のジェリー・ファルウェルはそれらを「今日アメリカ社会が直面している数々の難題を解くためにクリスチャンが必要としている道具である」と評価している.そのほか,By This Standard : The Authority of God’s Law Today,1985などの著者グレッグ・バンセン,Paradise Restored : A Biblical Theology of Dominion,1985などの著者デイビッド・ティルトン,That You May Prosper : Dominion by Covenant,1987などを著しているレイ・サットンがいる.<復> 主要な特色的主張:(1)人間の生の全領域における神の絶対主権,(2)キリスト者と非キリスト者の間に多くの共通性を認める従来の「共通基盤の哲学」(Common Ground Philosophy)は結局この世のヒューマニストを助けるだけであるとしてこれを排し,ヴァン・ティルの前提主義,カイパーの二つの理性・二つの学の考え方に影響されながら聖書が示す″神の偉大な戦略″を内容とする″対決の神学″,(3)歴史悲観論と未来主義を特色とするプレミレニアリズムを避け,時間的歴史における神の勝利を強調するポストミレニアリズムの終末論,(4)神の支配の具体的確立を目指して神のパートナーとして生きることを強く勧める聖書の契約思想,(5)神律主義(Theonomy)—旧約時代の神権政治国家としてのイスラエルは,アメリカ再建のための青写真であると考え,旧約の律法の全体をできる限り今日に適用させる.例えば,十戒(十のことば)などの道徳律法はもとより,旧約における殺人,同性愛,姦淫,星占いなどに関する処罰規定の適用,税,利息,奴隷,通貨などに関する経済的規定の適用,族長時代に倣った家庭中心の生活観と教育観,また主権在民と人間の自律及び多数決の原則に立つところのデモクラシーの拒否,などを提唱している.今日,神の法の回復の強調という基本では福音派はみな一致しているが,以上のような律法の具体的な取扱いを巡っては,福音派の間でも種々議論が起っている.(宇田 進)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社