《3分で分かる》ゾロアスター教とは?

ゾロアスター教とは?

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ゾロアスター教…

[英語]Zoroastrianism.創始者がゾロアスター(Zoroaster)と呼ばれるのは,ペルシヤ名Zarathushtraのギリシヤ式呼び名から来ている.ペルシヤ(今日のイラン)の古代預言者とされているが,いつの時代に活躍したのかについては,諸説があって定まらない.しかし一般的には,紀元前7世紀から6世紀の人とされる.<復> 今日の世界から見るならば,特に日本人にとって,直接の関係がないため関心が低いのであるが,宗教学的には無視することができない.それは宗教学界では,ゾロアスター教の持っている教えの中にユダヤ教,キリスト教,イスラム教などと共通するものがあると考えられているからである.宗教学的に見るならば,宗教現象としての関係が重視されることから,キリスト教やイスラムにゾロアスター教の教えが影響を与えた,という結論になる.それは人間個人の審判,天国と地獄,最後の審判などである.しかし他宗教の中に共通点があるからといってそれをただちに影響と見るのではなく,神のかたちに造られた人間の宗教性というものを共通の基盤と見るならば,諸宗教の中にある共通性の理由も理解することができる.<復> しかしながらゾロアスター教そのものの教えには,共通性よりもむしろ特異性のほうが目立っている.ペルシヤの多神教的な背景の中で,ゾロアスターは超越的神アフラ・マズダ(Ahura Mazda)—このマズダの名から「マズダ教」とも呼ばれている—に召し出されたといい,この神以外の神々の存在を否定し,一神教的改革を使命とした.この意味で,旧約聖書を別にするなら世界最古の預言者的宗教の創始者と言われている.人間の自由意志を強調し,善きわざ,善き生活の必要を訴え,天国と地獄が確実に存在すると説いた.しかし,この最高神だけでなく悪神の存在も認め,その両者の戦いや,最高神を助ける霊的存在も想定することから,善神・悪神,善と悪との戦いの中に人類が置かれているという意味では,純粋な一神教というよりも,二元論的(dualistic system)世界観に根差していたとも言える.<復> 通称「拝火教」とも言われるように火を神聖視し,特異な祭祀様式を持つこと,また死者を鳥葬,風葬と言われる方法で葬ることによっても知られている.死者のための塔を建て,そこで死体を鳥類や自然の風化に任せる葬り方である.<復> イスラムによるペルシヤ征服によって,ある者たちはイスラムへ改宗させられ,発祥地においては,ゾロアスター教の勢力は衰退に向かっていった.そして今日では,わずかに数千の信者を数えるにすぎないと言われている.他方,アラブ・イスラムの征服を避けてインドへ集団で移住した者たちの間に,この宗教が今日でも生きている.インドのボンベイを中心に8万余,パキスタンに5千人はいると言われる.ゾロアスター教(拝火教)が今日ペルシヤよりもインドとの関係で覚えられているのは,このためである.この地方における彼らの生活は,善き思い,ことば,行いをモットーとする生き方の中に,この宗教の教えを具現することに努めていると言える.<復> ゾロアスターの生涯,教義は同教の経典『ゼンド・アヴェスタ』に記されており,「拝火教」のほかに「ペルシヤ教」と呼ばれることもある.→宗教(神)学,比較宗教,異教・異教徒,諸宗教とキリスト教.(入船 尊)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社