《3分で分かる》パラダイスとは?

パラダイスとは?

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パラダイス…

[ヘブル語]parde~s,[ギリシャ語]paradeisos.古代イラン語の方言アベスタ語パエリダエーザ(複数形)からの借用語.原意は,円形の囲いで,後に塀で囲まれた庭園を意味するようになった.クセノフォンを介して,ギリシヤ語となり,次いで,ヘブル語に取り入れられた.現代ヘブル語では,かんきつ類の果樹園のみに用いられている.<復> 旧約聖書における使用度数は,わずか3回で,いずれも世俗的意味で使われている.ネヘミヤ2:8では,王に所属する「御園」,伝道者2:5では,果樹の「園」,雅歌4:13では,ざくろの「園」と訳されている.70人訳は,「エデンの園」(創世2,3章),「主の園」(創世13:10),「神の園」(エゼキエル31:8,9)にこの訳語を当てたので,世俗的概念が,宗教的概念—楽園(至福の場所)—へと移った.<復> 後代ラビ文学と黙示文学では,パラダイス観は終末的概念へと展開していった.後期ユダヤ教におけるパラダイスの概念は,体系化されていないので,その全容をとらえることは難しいが,そのおもな概念は以下の通りである.<復> (1)義人の魂は,死後シェオルではなく,パラダイスに移され,不敬虔な者は,シェオル,またはハデスに送られる.(2)パラダイスは,神が着座しておられる場所,または第3の天である.(3)パラダイスには,いのちの木が植えられていて,終末時のために備えられている.<復> 新約聖書におけるパラダイスへの言及は,次の3箇所で,いずれも上述の中間時代の概念の影響を受けている.<復> 1.ルカ23:43.イエスが悔い改めた犯罪人に語られた「パラダイス」は,恐らく黙示文学の概念—義人の魂が死後移される場所—に基づいて,御自身を信じる者のために開かれる場所を指したものであろう.すなわち,犯罪人は,その死後キリストとともに,ただちにパラダイスに入れられる,と解される.<復> 2.Ⅱコリント12:4.パウロは,主から与えられた幻と啓示に言及して,「第3の天」,つまり神の住みかである「パラダイス」での神秘的体験を述べている.これは,パウロが黙示文学に通じていたことを示している.しかし,同じ語は用いているが,その大きな違いは,キリスト論的性格にある.<復> 3.黙示録2:7.ここは新約聖書において,パラダイスが,終末的意味で用いられている唯一の箇所である.「神のパラダイス」とは,黙示文学に言及されている終末時における義人の住まいとして備えられている場所のことである.主は,エぺソの教会に対して,勝利を得る者に神のパラダイスにあるいのちの木の実を食べさせる約束をしておられる.こうして,かつて失われたエデンの園(パラダイス),またユダヤ人が回復を望んでいたエデン的園(イザヤ51:3,エゼキエル36:35)は,キリストにおいて回復する.<復> 新約聖書におけるパラダイスの概念の際立った特徴は,キリスト論的性格である.死後キリストとともにいる所(ピリピ1:23,Ⅱコリント5:8),そこがパラダイスである.すると,パラダイスは,天国(C・ホッジ)である.→死後の状態,終末論.(樋口信平)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社