《3分で分かる》チャペルとは?

チャペルとは?

チャペル…

(1) 英国で国教会に属さない宗派の人々の教会堂を指す.イングランド,ウェールズでは英国教会及びカトリック教会に属さない人々の礼拝の場であり,スコットランドではカトリック教会の意味になる.(2) 広く,学校や修道院の付属の礼拝堂,大きな教会堂の小集会用に使用される小礼拝堂を意味する.また,そこで行われる礼拝(に出席すること)もチャペルと言う.<復> 今日のチャペルの例として特筆すべき建築を3箇所挙げることができる.ル・コルビュジエ(Le Corbusier,1887—1965年)の設計によるロンシャンの礼拝堂と,エリック・グンナー・アスプルンド(Erik Gunnar Asplund,1885—1940年)の設計による,森の礼拝堂と森の火葬場の礼拝堂である.<復> ロンシャンの礼拝堂(→口絵写真)は,小高い丘の上に立つ巡礼のための礼拝堂である.人は礼拝堂に近付く前に丘の上の礼拝堂を眺める.しかし,登り始めると礼拝堂を見失う.不安を感じながら登ると,道が曲る時,急に目の前に大きく現れてくる.内部にあっては湾曲した内壁や天井は人の心を圧迫する.それによって,小さな光が入ってくる窓や主祭壇,小礼拝所に目がいくように構成されている.<復> 森の礼拝堂(→口絵写真)は設計者自身が語るように「森の中に残ろうとしている」.建物の大きさを自然の状況に反してまで記念碑的に建てるのでなく,森の中にひっそりと入り込むように,唐松,エゾ松等,礼拝堂の2倍の高さの木々に囲まれる形で建物は圧縮されている.屋根もその枝振りに合せている.入口の12本の円柱に支えられた柱廊を通り内部に入ると,明るく半球形の空間があるのに気が付く.これは墓地付属の礼拝堂である.同一敷地内にある森の火葬場の礼拝堂(→口絵写真)は,火葬場という性格上,別離という辛い瞬間のために建設された建物である.人々は建物に近付く時,大きな十字架に向かって石畳の道を歩く.十字架を通り過ぎると,列柱に囲まれた空間が,人々を礼拝堂へと招き入れる.礼拝堂の床の一部は,くりぬかれていて,ひつぎは葬儀が終ると,リフトで下に降ろされる.逆に,再び外に出ると,柱廊の一部は空に向かって明けられている.そこには群像が立っている.会葬者は出てくる時,初めて自然をバックにしたその彫刻の意味を知る.その題は「復活」である.<復> モーセの召命の場面にも礼拝堂に近い空間が示されていると考えられる.モーセはまず,目に見える不思議な現象(燃える柴)に興味を持ち,近付いて行く(出エジプト3:3).そこには壁は存在しなかったが,神が地上に降りて来られた聖域があった(同3:5).そこで初めて神はモーセに語られた.そのことばはモーセの心をとらえ,離すことはなかった.ここに空間という概念が存在するとすれば,モーセを説得するための限られた空間であったと思われる.これに倣えば,今日における礼拝堂の重要な主題は規模や仕上げの程度でなく,人々に語りかける空間の構成にかかっていると考えられる.→教会建築.(成田 望)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社