《3分で分かる》カリスマとは?

カリスマとは?

カリスマ…

賜物.[ギリシャ語]カリスマタ(複数形).本来,聖書啓示において,神からの「賜物」という意味に用いられていることばである.その内容から,新約書簡に集中し,ペテロ書簡(Ⅰペテロ4:10),パウロ書簡(ローマ,Ⅰ・Ⅱコリント,Ⅰ・Ⅱテモテ)に多く用いられている.[ギリシャ語]カリスマは,特定されない場合は単に[英語]giftの意味で用いられるが,同義語として,[ギリシャ語]ドーロン(中性),[ギリシャ語]ドマ(中性)があり,同様に賜物と訳されている.カリスマは次のように分類される.<復> 1.一般的には,神の無償の恩恵として大地の産物はことごとく「賜物」であり,人はみなこの恩恵にあずかって生きているものである.<復> 2.新約聖書の特別な啓示内容から,旧契約のもとにおけるイスラエル民族の特権と,救済計画の展開によって諸民族の中から選ばれたキリストに属する人々に与えられた救いの恩寵を指す(参照ローマ6:23,11:29).<復> 3.神の計画の実現のために,キリストのからだとしての教会に属する個々人に対して,奉仕のために与えられる能力を指す.教会論に見るカリスマは,一つのからだとしての教会の構成員が,それぞれ異なったカリスマをもって,教会の機能に参与するために授かる.その奉仕の領域は様々であり,ある者は預言をし,ある者は教え,ある者は奉仕活動に携わり,指導に当る.慈善や寄付行為もカリスマの現れと考えられている.<復> 初代教会においては,御霊の働きとカリスマとは切り離すことができないほど深く関連付けられている.御霊の賜物として,「知恵のことば,知識のことば,信仰,いやし,奇蹟を行なう力,預言,霊を見分ける力,異言,異言を解き明かす力」が与えられている(参照Ⅰコリント12:7‐10).<復> 20世紀に入って,ペンテコステ運動の発展に伴い,神の賜物としての「聖霊」に注目が集まり,伝統的プロテスタント教会の中にも,カトリック教会の中にもカリスマを求める動きが活発になっている.<復> 4.聖書啓示から離れて,カリスマを超能力と見なしたのはマックス・ヴェーバーである.彼は,非日常的なある能力を持つ人々の中にカリスマ性を見る.現在では一般的,社会的にカリスマという言葉が用いられるようになっている.→カリスマ運動.<復>〔参考文献〕Arndt, W. F./ Gingrich, F. W., A Greek‐English Lexicon of the New Testament, and Other Early Christian Literature University of Chicago, 1960;黒崎幸吉編著『新約聖書語句索引』永遠の生命社,1952;Nestle, E., Novum Testamentum Graece, Privilegierte Wu¨rttembergische Bibelanstalt, Stuttgart, 1960.(佐布正義)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社