《3分で分かる》洗足(式)とは?

洗足(式)とは?

スポンサーリンク

洗足(式)…

[ラテン語]Pedilavium,[英語]Foot Washing.ヨハネ13章に記された洗足の出来事は,主イエス・キリストが弟子たちに対して示された謙遜の教えである.初代教会ではこれを比喩的に解釈せず,「それで,主であり師であるこのわたしが,あなたがたの足を洗ったのですから,あなたがたもまた互いに足を洗い合うべきです」(13:14)というみことばを字義通りに理解し,洗礼式の中で,バプテスマに続いて洗足を行っていた.アンブロシウスの時代のミラノでは,復活祭(復活節)の夜に洗礼式が行われたが,それはミラノ特有の典礼である洗足を伴っていた.『秘跡についての講話』の中でアンブロシウスは,洗足は客が来た時の行為であって秘跡を授ける時に行われるべき儀式ではないと主張する人々を批判し,洗礼を授ける時に行う洗足は聖化を意味する,と語った.そして,この洗足が,他人の足を洗うがゆえに,謙遜を教えるのに有益であることを付け加える.創世18:4,19:2,24:32,43:24には習慣として足を洗ってから家に入ることが,Ⅰサムエル25:41には献身的に仕えるという意味でほかの人の足を洗うことが記されている.そして最も重要なのは,出エジプト29:4,30:17‐21に,水の洗いが聖別の手段として記されていることである.それゆえに,この洗足が「献身的に仕えること」と「聖別すること」の意味となることが明らかにされよう.<復> 宗教改革の時代,メランヒトンの影響下にあった人々は,主イエス・キリストの教えに忠実に生きることをモットーとしていた.特に,ボヘミアやモラビア地方の敬虔派のクリスチャンの生き方は忠実そのものであった.その影響を受けたのが,メノナイト派の人々や兄弟団,バプテスト派に属する多くの群,神の教会,といったグループであり,現在に至っている.アウグスティーヌスが,受難週の木曜日に洗足式を行うほうが良いだろうと語って以来,現在のローマ・カトリック教会においても,その日の夕方のミサの福音書朗読(ヨハネ13:4‐17)の後に洗足の儀式を行う(これは[ラテン語]Mandatumと呼ばれる).また上記の幾つかのプロテスタント教会でも,この日などに洗足式が行われている.→受難日・受難週,教会暦.<復>〔参考文献〕アンブロジウス『秘跡』pp.54,100,152,創文社,第1刷1963,第3刷1978;Whitaker, E. C., Documents of the Baptismal Liturgy, pp.104, 132, SPCK, 1st impression 1960, 6th 1987 ; Beasley‐Murray, G. R., Baptism in the New Testament, Paternoster, 2nd impression 1976.(太田良一)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社