《3分で分かる》ホイートン宣言とは?

ホイートン宣言とは?

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ホイートン宣言…

1966年4月,米国イリノイ州ホイートンで開かれた世界教会宣教会議(The Congress on the Church’s Worldwide Mission)が採択した宣言.長文のこの宣言は,次のような表現で結ばれている.「私たち…は…この時代において世界に福音を伝えるため教会の…動員を…求めることを…ともに盟約する.それゆえ,神よ,私たちを助けてください」.この結びの言葉の「この時代において」は,原意では「この世代のうちに」ということが強調されていると見られる.宣教の速やかな完結を求めての一致の呼びかけである.すでに1960年に,宣教団体の協力機関であるIFMA(Interdenominational Foreign Mission Association)が主催してシカゴで開かれた世界宣教会議が,同様の宣言をしている.このシカゴ会議は,全世界の福音化はこの世代のうちに達成可能であるとし,新たに1万8千人の宣教師を各地に送るよう訴えている.ホイートン会議と同じ年の秋に開かれたベルリン世界伝道会議でも,伝道者ビリー・グラハム(グレイアム)が「この世代のうちに」を強調している.これは19世紀末のピアソンの訴えの復活であり,1910年のエディンバラ世界宣教会議の「福音による,世界の即時征服」への呼応でもあった.この宣言はまた,1974年からのローザンヌ運動や,そこから派生したAD2000運動(西暦2千年までに大宣教命令が達成されることを求める運動)を予期させるものとなっている.<復> しかしホイートン会議の置かれた状況は,エディンバラとはもちろん,シカゴ会議のそれからも大きく変化している.宣教の意味を全く変えてしまうエキュメニズムの神学が,福音宣教を著しく阻害すると憂慮されていた.1960年代前半の第2ヴァチカン公会議以来のローマ・カトリックの方向転換も,強く意識されていた.この状況の中で,ホイートン会議は「宣教とは何か」ということを十分問うことをしなかったと言われる.外国ミッションについて「宣教と教会の成長」「宣教と海外伝道団体」の項で問われてはいるが,これも″どのように″宣教を進めるかという文脈の中でのことである.参加者の中核がミッションの管理者であったことの反映であるかもしれない.<復> 同じ年のベルリン宣言が,その後の宣教への展望につながるものであるとすれば,ホイートン宣言は社会的責任への取組への意志を示しつつも,それまでの宣教の深い反省を込めての総括であったのかもしれない.→ベルリン宣言,ローザンヌ誓約,エキュメニカル運動,福音主義.<復>〔参考文献〕世界教会宣教会議委員会編『世界の伝道』いのちのことば社,1967.(舟喜 信)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社