《3分で分かる》シュライトハイム信仰告白とは?

シュライトハイム信仰告白とは?

シュライトハイム信仰告白…

[ドイツ語]Bru¨derliche Vereinigung,[英語]The Schleitheim Confession of Faith.原題は「神の子たちの兄弟的一致」で,1527年2月27日付けでスイスのシャフハウゼン州シュライトハイムで公にされた,再洗礼派(アナバプテスト)の7箇条からなる信仰告白である.<復> この年,再洗礼派にとって三つの重要な会議が開催された.第1は2月のシュライトハイム会議であり,第2は5月のモラビアのニコルスブルクで開催された再洗礼派同士の公開討論会,第3は南ドイツのアウグスブルクで開催された「殉教者会議」である.これら三つの会議は,再洗礼派の中でも特に急進的なハンス・フートとかかわりがあったと推測されている.フートは黙示的な見解の持主で,自らを預言者と主張した.そして,やがて聖徒は迫害を受けるが,その後トルコ人によって神聖ローマ帝国の滅亡が始まると予言した.その後聖徒たちは集められ,すべての司祭と邪悪な為政者たちが滅ぼされた時からキリストの見える形での地上支配が始まる,と教え,多くの追従者を得た.チューリヒを中心とするスイスの再洗礼派とその著しい影響を受けていた南ドイツの再洗礼派は,フートの思想に対して大きな危惧を抱いた.そこで両者はスイスの一寒村シュライトハイムにひそかに集まり,「偽兄弟たち」に対して「兄弟たち」の一致を告白する7箇条の文書を用意したのである.これはやがてスイス系の再洗礼派の共同の信仰告白になり,再洗礼派が産出した最も重要な文献の一つとなった.<復> この文書の執筆者は,シュライトハイム会議の議長を務めたミヒャエル・ザットラーとされる.彼は修道院に入っていたが,ルターの著作に接しプロテスタントに改宗した後,修道院を脱出,1525年頃チューリヒに赴き,そこで再洗礼派と接して再洗礼主義者となった.彼はその学識と敬虔のゆえにやがて有力な指導者の一人に数えられるようになった.7箇条には,(1)信仰者の洗礼(バプテスマ),(2)教会の唯一の武器としての破門,(3)パン裂き,(4)悪者また邪悪からの隔離,(5)牧者について,(6)剣の使用や強制力の行使の禁止,(7)誓いの禁止,について述べられている.書式は伝統的な信条とは異なり,再洗礼主義を単純率直に表明する文書である.→アナバプテスト.<復>〔参考文献〕W・ウォーカー『宗教改革』(キリスト教史3)ヨルダン社,1983;倉塚平他編訳『宗教改革急進派』ヨルダン社,1972;Williams, G.H., The Radical Reformation, Weidenfeld and Nicolson, 1952.(泥谷逸郎)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社