《3分で分かる》慈悲とは?

慈悲とは?

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慈悲…

[ラテン語]Misericordia,[英語]Mercy.ローマ・カトリック教会用語としての慈悲は,他人の災いに同情する徳を意味する.ヌルシアのベネディクトゥス(480年頃—547/550年)が修道生活の規準として修道士に与えた会則の中に,慈悲についての教えが書かれている.一つは第4章「善きわざについて」の中に見出される.マルコ12:30,31を引用した後,多くの戒めを語っていく中で,「決して,神の慈悲を疑ってはならない」と語る.また,第7章「謙遜について」(マタイ23:12)の中で,12の段に分けて語り,その5番目に「地は主の恵み([ラテン語]misericordia)に満ちている」(詩篇33:5)と述べる.彼はこれらのことを通して,慈悲が神に基づいていることを教えるのである.また彼は,盛んにマタイ25:31‐46を引用し,共に生きるクリスチャンの生活のあり方を教えている.「あわれみ深い者は幸いです.その人はあわれみを受けるからです」(マタイ5:7).これが修道士の考える慈悲の基礎である.<復> 人間同士の「あわれみ」([ラテン語]misericordia)が神の「あわれみ」([ラテン語]misericordia)に基づくこと,すなわち,慈悲のわざが神の慈悲に根差していることを,ベネディクトゥスは明らかにした.そして,マタイ25:35,36は,(1)飢える者に食を与え,(2)渇ける者に飲ませ,(3)裸の者に着せ,(4)宿なき者を宿らせ,(5)病める者を見舞い,(6)捕えられた者を身代金を払って助け,(7)死者を葬る,という七つの慈悲のわざの教えとなり,ここから,(1)無知な者に教え,(2)疑う者に助言を与え,(3)罪人をたしなめ,(4)不当な仕打ちを忍耐強く忍び,(5)非礼を快く許し,(6)悩める者を慰め,(7)生ける者と死せる者とのために祈る,という七つの徳が引き出されていったのである.→七つの主要な徳.<復>〔参考文献〕Die Althochdeutsche Benediktinerregel des Cod. Sang 916, Max Niemeyer Verlag, 1959 ; Rahner, K.(ed.), Encyclopedia of Theology, Crossroad, 1975 ; Thomas von Aquin, Die Deutsche Thomas‐Ausgabe, Summa Theologica(36 Bande), Bd.14, p.213, Gemeinschaftsverlag, 1955.(太田良一)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社