《3分で分かる》信仰規準とは?

信仰規準とは?

信仰規準…

信仰規準([ギリシャ語]カノーン・テース・ピステオース,[ラテン語]レグラ・フィデイ)とは,信仰及び生活の基本となる教会の教えを,信条の形で短く表現したものである.「真理規準」とも呼ばれる.<復> 信仰規準が何を意味するかについては学者たちによって多年議論が続けられているが,古代教父たち,すなわちコリントのディオニューシオス,エイレーナイオス(イレナエウス),アレキサンドリヤのクレーメンス,ヒッポリュトス,テルトゥリアーヌス,ノウァティアーヌスなどの文書に言及されている信仰定式と考えられる.エイレーナイオスの「使徒的宣教のあかし」は,教理の基本とともに倫理的,信仰的事柄にも触れている.テルトゥリアーヌスは,信仰規準を不変の教理として言及している.<復> 一般には,信仰規準はバプテスマ定式に関係していると考えられる.バプテスマ(洗礼)を受けるための基本的知識が定式化され,信条にまで発展していく.バプテスマ定式は,新約聖書そのものから引き出される.信仰告白(Ⅰテモテ6:12,ヘブル4:14,10:23),委任された事柄(Ⅰテモテ6:20,Ⅱテモテ1:14.参照1:12欄外注),信仰(ユダ3,20節,テトス1:13),真理のことば(Ⅰペテロ1:22),教理形式(ローマ6:17,16:17,ヘブル6:2,Ⅱヨハネ9節以下),福音(ローマ2:16,16:25,26,Ⅰコリント15:1,ガラテヤ2:2),健全な教え(Ⅱテモテ1:13),信仰のことば(Ⅰテモテ4:6).これらからバプテスマ準備のための定式が形成されていくのである.しかし,これらの信仰規準が記録として残されなかったのは,古カトリック時代にはクリスチャンが信仰の奥義については沈黙を誓っていたからであると思われる.信仰規準は紙に書かれてはならず,心の板に書かれるべきだと言われていた.<復> バプテスマ定式の初期は,キリスト告白が中心である.これは,ユダヤ人にとって唯一の神への信仰は当然のことであり,確認する必要がなかったからである.異邦人が教会に参加するようになると,救済者としてのキリストのみならず,唯一の神,そして聖霊を信じる信仰を告白することが必要となった.こうして,古ローマ信条が形成され,さらに使徒信条における三位一体論的定式が確定していくことになる.なお,今日のローマ・カトリック教会は,信仰の規準を教会の教えと定義している.プロテスタント教会にとっては聖書が「信仰と生活の唯一の規準」であり,信条は第二義的な基準とされる.→信仰の告白,信条・信条学.(勝原忠明)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社