《3分で分かる》ヴァン・ティル,コーネリウスとは?

ヴァン・ティル,コーネリウスとは?

ヴァン・ティル,コーネリウス…

[英語]Van Til, Cornelius.1895—1987年.アメリカ・改革派の代表的弁証学者.10歳の時生地オランダからアメリカへ移住,ドイツ観念論の研究でプリンストン大学より博士号取得,1年間プリンストン神学校で専任講師を務めた後,1929年設立されたばかりのウェストミンスター神学校に移り,弁証学部門の主任教授として,また一時期は教授会議長として,50年間にわたり一貫して教職の養成に当った.特に,20世紀の福音主義神学の形成への彼の貢献は,弁証学の再構成とリベラル神学の批判の二領域に見られる.前者については,スコットランド常識哲学などを背景にクリスチャンとノン・クリスチャンとの間に″共通基盤″を認めつつ弁証を展開しようとする従来の伝統的弁証論の弱さを批判する一方,カイパーの未再生の自律的理性と再生の理性の区別に立った″二つの学″,並びに聖書の三一神を大前提とする推理(設定された前提は,思惟の展開と結論を制約付けるという考えに立つ)を根幹とする「前提主義」(Presuppositionalism)と呼ばれている新方法を提唱した.『一般恩恵』1976(Common Grace, 1947) ; The Defense of the Faith, 1955 ; A Christian Theory of Knowledge, 1969は,この面を扱った主要な著作である.後者については,特にバルト及びブルンナー(アメリカに「新正統主義」を広めた神学者)の神学を扱い,ベルカウワー,ブロミリ,ラムなどによる是々非々的批判とは対照的に,哲学的・神学的前提及び原理からのアポロジェティカル(弁証論的)な批判を提示したことで注目されている.The New Modernism—An Appraisal of the Theology of Barth and Brunner, 1946とChristianity and Barthianism, 1962の二著は,この面の主要な文献である.以上のほかに,20世紀のカトリック神学,ブルトマンの実存論的神学とその後のプロテスタント・リベラル神学,母国オランダにおける近年の神学的発展を扱ったThe Great Debate Today, 1971 ; The New Hermeneutics, 1974 ; The New Synthesis Theology of the Netherlands, 1976など多数の著作・論文がある.(宇田 進)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社