《3分で分かる》聖公会祈祷書とは?

聖公会祈祷書とは?

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聖公会祈祷書…

[英語]The Book of Common Prayer.聖公会の礼拝諸式をまとめた書で,日々の早祷と晩祷,礼典並びに諸式,詩篇歌,及び聖職按手式目(1552年以降)等が収められている.これは,一般信徒には理解できない中世以来のラテン語祈祷書を簡素化し,教職にも信徒にも簡単で便利な英語によるガイド役を果し得る権威ある祈祷書を作成したいという,T・クランマーその他の願いから誕生したものである.1543年のラテン語によるセーラム聖務日課の印刷版,1544年の英語による連祷の出版,1548年のラテン語のミサを補うための英語による聖餐式順序などが,新しい祈祷書作成の道備えとなった.1548年にクランマーは新祈祷書草案を神学者会議で討議するために用意し,翌年,討議を終えた草案を議会に提出した.議会はこの「エドワード6世第1祈祷書」の出版を命じ,統一令をもってイギリス全土で使用するように定めた.しかしこの第1祈祷書は保守派と改革派の妥協の産物であったために,どちらも満足することはできなかった.後者に属するP・マルティーレ・ヴェルミーリとM・ブツァーは,この祈祷書に含まれている聖職服,死者のための祈り等を批判している.この批判が1552年の議会による「エドワード6世第2祈祷書」の出版のきっかけになった.この第2祈祷書は広く普及する前に,カトリック教徒である女王メアリが実権を握るに至ったため,使用禁止となり,中世以来の祈祷書が復活した.しかし間もなくエリーザベス1世が女王の位につくに従い,第2祈祷書はいくらかの変更が加えられただけで1559年「エリザベス祈祷書」として復活し,16世紀の終りまで変更改訂なしで使用された.その後1604年,1662年に改訂され,1662年版が今日まで英国教会における正式の祈祷書として用いられている.<復> 各国聖公会は1662年版を基本とし,それぞれの事情に応じて自らの祈祷書を作成している.日本聖公会の祈祷書は英米の聖公会のものの折衷であったが,1959年以降は現代の礼拝学の成果を取り入れた新しい祈祷書が用いられている.<復>〔参考文献〕『キリスト教大事典』教文館,改訂新版1968;『日本聖公会改正祈祷書』1989;Cross, F. L./Livingstone, E. A.(eds.), The Oxford Dictionary of the Christian Church(2nd ed.), Oxford, 1974.(泥谷逸郎)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社