《3分で分かる》正義とは?

正義とは?

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正義…

ヘブル語のツェデク/ツェダーカー,ギリシヤ語のディカイオシュネーを語源としている点で,聖書では神の義と深い関係を持っている.一般に正義(ジャスティス)と言う場合は,倫理的な意味に用いられ,古来人間社会の健全な関係を実現すべき最高の条件あるいは規範とされてきたものを指す.しかし,何が正義であるかは歴史的な状況に左右され,思想家や立法者によっても異なるので,正義とは「階級間の調和」であるとか,「秩序の維持」であるとか,「自由・平等の実現」であるという主張がなされた.<復> では,聖書は正義についてどのように教えているか.「正義を,ただ正義を追い求めなければならない.そうすれば,あなたは生き,あなたの神,主が与えようとしておられる地を,自分の所有とすることができる」(申命16:20).「公義を水のように,正義をいつも水の流れる川のように,流れさせよ」(アモス5:24).「もし,正しい者なら,その人は公義と正義とを行なえ」(エゼキエル18:5)と命じられている.そして,この正義の根源は聖なる神御自身の属性にある.神がアブラハムを選び出したのは,アブラハムがその子らと,彼の後の家族とに命じて主の道を守らせ,正義と公正とを行わせるためであったとあるように(創世18:19),主御自身の道が正義と公正である.また「万軍の主は,さばきによって高くなり,聖なる神は正義によって,みずから聖なることを示される」(イザヤ5:16)とあるように,神の聖と正義とは密接に関係していることがわかる.このように,聖書では,聖なる神そのものと,その神が与える戒めが,人間生活における正義の規範である.そして聖なる神は,イスラエルの歴史及び人類の歴史において救いのわざを啓示することによって御自身の義を示され,モーセを通じて与えられた律法(十戒)によって健全な人間関係,社会生活のあり方を教えられたのである.すなわち,聖書の教える正義は,神御自身に倣うことを第一とし,神のことばに従うことによって達成されるのである.イエスが「わたしに従いなさい」と繰り返し招き,命じておられる理由もここにあると言えよう.なお,正義は神の義との関係で,愛とあわれみと密接な関係を持っている.愛のない正義は律法主義に堕し,正義のない愛は無秩序を生み出してしまう.また,神の義は現世の不正や不義の存在に対して,訴え祈ることを教え,神のさばきを覚えて正しい歩みを続けるよう励ましと慰めを得る根拠ともなる.→神の属性,義.(富井悠夫)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社