《3分で分かる》破壊とは?

破壊とは?

スポンサーリンク

破壊…

悪魔的な勢力の指導者を指すように黙示録9:11に「彼の名はヘブル語でアバドンといい,ギリシヤ語でアポリュオンという」とある.「アバドン」は[ヘブル語]アーバドゥ(「滅びる」の意)から派生したことばである.ヨブ26:6,詩篇88:11(ヘブル語聖書では88:12),箴言15:11,27:20等で「滅びの場所」という意味で使用され,「よみ」([ヘブル語]シェオール)とほとんど同義語的に適用されている.それゆえに,「破壊」とはまず悪魔的な性格を表現し,否定的な要素を意味すると一般に考えられる.<復> しかし,「破壊」は,悪魔的な性格ではなく,神が御自身の御計画を執行するために,御自身に対抗する者や,そのような行動をさばく意味で破壊される場合がある.神の審判としての破壊であり,「滅ぼす」または「根絶やしにする」などとも訳される(創世6:13,申命7:4,9:26,10:10等).用語としては[ヘブル語]シャーハス,及び[ヘブル語]シャーマドゥが使用されている場合が多い.神が悪をさばき滅ぼされる場合には単なる破壊ではなく,建設的破壊とも言い得る概念がそこには含まれている.神が究極的な計画を遂行するために,その計画を妨害する勢力をさばき滅ぼし破壊されるのである.聖書に見る救済史的観点からすれば,目的にかなった審判的破壊と言い得る.さらに,「取りこわす」と訳される[ヘブル語]ナータツも,神の民が偶像礼拝の祭壇を破壊するという善的行為というニュアンスで用いられる(出エジプト34:13等).新約聖書で「破棄する」と訳されている[ギリシャ語]カタリュオーも同じような意味で,目的にかなった建設的破壊である(マタイ5:17等).聖書神学上このような破壊の概念は極めて大切であり,救済史または贖罪論において正しく理解されなければならない啓示思想でもある.<復> さらに,「破壊」の概念には,「奉献する」または「聖絶する」という,積極的であり,信仰的行為を示す概念があることを忘れてはならない.自分の欲のために取り入れないで,神にささげるという意味での「破壊」であり,通常[ヘブル語]ハーラムが用いられる(民数21:2,申命7:2,ヨシュア11:20,士師21:11,Ⅰサムエル15:3等).このような「破壊」の概念は,人間的理性の価値または評価の判断を越えた次元での完全な信仰的決断による善行という理解が必要である.→さばき,聖絶,死後の状態,救済史,贖罪・贖罪論.(服部嘉明)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社