《3分で分かる》神の民とは?

神の民とは?

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神の民…

聖書は実に多様なことばで教会について教えているが,特に,神の民,キリストのからだ,聖霊の宮と呼んでいる.この神の民という表現は,旧約においては選ばれた神の民としてのイスラエルを表し,新約においてはキリストの教会を表す術語となった(出エジプト19:4‐6,Ⅰペテロ2:9,10).この章句は聖書の教会論全体にとって決定的に重要なものである.主がイスラエルを贖い(出エジプト6:6,7),これと契約を結ばれたのは,イスラエルを神にささげられた民とし,もろもろの国民の光とするためであった(イザヤ42:6).レビ人がイスラエルの内部で祭司職に取り分けられたように,神の民イスラエルは全地のすべての民の中で祭司の国,聖なる民として取り分けられた.イスラエルがこの契約を破り,もろもろの国民の光となることに失敗した時エレミヤは,主が新しい契約を結ぶ日の来ることを預言した(エレミヤ31:31‐33).イエス・キリストの贖いの血によってこの新しい契約が樹立され,新しい神の民がユダヤ人の中からだけでなく,異邦人の中からも召され,これと新しい契約が結ばれた(テトス2:14.参照出エジプト19:5,Ⅰペテロ2:9‐11).Ⅰペテロ2:9‐11で著者は,出エジプト19:4‐6,イザヤ43:20,21,ホセア1:6‐10,2:23を自由に引用し,そこでイスラエルについて言われていることをキリスト教会に当てはめ,教会こそ古いイスラエルが失敗した使命を遂行する真の神の民であると明言する.<復> ローマ・カトリック教会は第2ヴァチカン公会議において「教会憲章」(1964年)を公布した.これは「神の啓示に関する教義憲章」とともに最も重要な,基礎的なものである.この「教会憲章」は,第1章「教会の秘義について」,第2章「神の民について」以下8章に及ぶものであるが,神の民としての教会観が重要な役割を果し,この聖書的・救済史的見方が,第4章「信徒について」,第5章「教会における聖性への普遍的召命について」,及び第7章の終末論(前半)により健全な影響を与えている.→選び,選民,イスラエル.<復>〔参考文献〕R・シュナッケンブルク『新約聖書の教会』南窓社,1972;公会議解説叢書3『自覚を深める教会』中央出版社,1969;Bruce, F. F., New Testament Development of Old Testament Themes, Eerdmans, 1968.(矢内昭二)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社