《3分で分かる》賛美とは?

賛美とは?

賛美…

聖書全体は神への賛美と崇敬に満ちている.賛美は神の民の最大の特質の一つと言えよう.旧約聖書において,まず創世1章は,宇宙的広がりを持った創造の賛歌とも言える(参照ヨブ38:4‐7,箴言8:30,31).モーセの時代以降,賛美についての直接の言及は,エジプト軍に対するイスラエルの民の戦勝歌(出エジプト15章)や,デボラの歌(士師5章)がある.ダビデの時代に入ると,賛美のための専門集団が形成されている(Ⅰ歴代6:31).そしてエズラの時代に入って編集された詩篇は,旧約聖書における賛美の集大成となった.<復> 神の民の神への賛美に対して,神はいかに応答されたか.Ⅱ列王3:15やⅡ歴代20:20‐22では,神の民の賛美に答えて働かれる神の御手を明らかに認めることができる.それはヨシュアのエリコ攻略の時も同様であった(ヨシュア6:20).神はまた賛美を住いとされ(詩篇22:3),賛美の中に御自身の栄光を現される(Ⅱ歴代5:13,14).それゆえ神は御自身のあかしのために賛美を命じておられる(申命31:19,Ⅱ歴代29:25).<復> 旧約聖書では,賛美は歌唱や楽器だけでなく,踊りも伴っていた(出エジプト15:20,Ⅱサムエル6:5,詩篇149:3).楽器は当時のあらゆる楽器が用いられ,笛の類,琴の類,タンバリン,シンバルなど22種にまで及ぶ.<復> 新約聖書は,マリヤ,ザカリヤ,御使いたちの賛歌で始まり(ルカ1,2章),王の王,主の主なる救い主への賛美で終結している(黙示録19章).原始キリスト教会では,ユダヤ教のシナゴーグ礼拝の慣習を受け継いで,詩篇が歌唱されたと思われる.またピリピ2:6‐11に見られるように,キリストの出来事を内容とするキリスト賛歌が,信仰告白的な性格をもって歌われるようになった.さらに,聖霊の啓発によって即興的に歌われる霊の歌も新たに加えられるようになった.初代教会が,創造性と変化に富む1世紀後半から,次第に安定と秩序と組織の進む2,3世紀を経て,やがて公同礼拝のリタージーが極度に進む中世紀に入るや,賛美も高度の芸術性が追求され,聖職者の領域にのみ追いやられるようになった.しかし,宗教改革期を迎え,プロテスタントの教会音楽の中心は再び会衆賛美に引き戻され,その後,英米を中心とした信仰覚醒運動の中で,福音聖歌が力強く発展し,今日に至っている.→賛美歌(史),キリスト教音楽,詩篇歌.(工藤弘雄)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社