《3分で分かる》グレゴリオ聖歌とは?

グレゴリオ聖歌とは?

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グレゴリオ聖歌…

ローマ・カトリック教会のラテン語による典礼聖歌を言う.単旋律(モノフォニー,[英語]monophony)一本で歌われた教会音楽史上のいわば原点となった.<復> その特色を挙げると,<復> (1) 和声(ハーモニー,[英語]harmony)も対位旋律(カウンターポイント,[英語]counterpoint)も付けずに旋律のみを斉唱(ユニゾン,[英語]unison)で歌う,<復> (2) メロディーの音程間隔が全音階的である,言い替えれば,半音階的に並ぶ音程がどこにもないので,聖歌が静かに,非激情的に,しかも堂々と響く,<復> (3) 拍数や小節数が機械的に反復される図式は持たず,ことばのイントネーションをごく自然に歌うことによって,落着きと精神性を宿すことになる,<復> (4) 当時は音を書く記譜法がまだ確立していなかったために,4線による古いネウマ([ラテン語]neuma)譜を用いた(その後の楽譜の発達に伴って,この聖歌の内容と表現は複雑になっていった),<復>などである.<復> グレゴリオ(Gregorio)とは,590—604年に在位し,教理と典礼を刷新し,これにまつわる聖歌を統一して編集するという大改革に踏み切ったローマ教皇(グレゴリウス1世)のイタリア名である.彼が上記の偉業のすべてを成し遂げたのではないと言われる一方,聖歌との深いかかわりや,聖歌学校(スコラ・カントルム,[ラテン語]schola cantorum)の育成を強化したことは,その後の西洋音楽を方向付け,著しい発達を促進させ,その貢献には計り知れないものがある.日本基督教団の『讃美歌』では,24,94,142番等がグレゴリオ聖歌からの編曲であるが,『讃美歌第二編』では,84から92番までがもっと原曲に近い形で取り入れられている.→教会音楽,グレゴリウス1世,賛美歌(史),典礼,ミサ.<復>〔参考文献〕柴田南雄『西洋音楽の歴史』音楽之友社,1971;野村良雄『精神史としての音楽史』音楽之友社,1968;D・J・グラウト(服部幸三/戸口幸策訳)『西洋音楽史』上,音楽之友社,1978;Davison, A. T./Apel, W. (eds.), Historical Anthology of Music, 2Vols., Harvard Univ., 1970.(天田 繋)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社