《3分で分かる》アニミズムとは?

アニミズムとは?

アニミズム…

[英語]animism.ラテン語のアニマ(anima)すなわち霊魂という語に基づいた言葉.<復> E・B・タイラー(1832—1917年)は,宗教の起源としてアニミズム説を提唱した.彼は人類学の立場から,宗教の最も簡単な最も原始的なものは,霊的存在に対する信仰であり,すなわちすべての事物に霊魂が宿っているとするアニミズムであるとした.そして,それが次第に個性的な性能を持ち,一定の姿をとるようになると精霊(spirit)の観念が生じ,それがさらに進化すると神祇(deity)及び神(god)の観念になる.タイラーによれば,アニミズムは単に宗教のみでなく,未開の人の世界観,人生観とも言うべき一種の人生哲学であり,諸物,諸現象の説明原理でもあった.<復> しかし,こうした人生態度は未開の人だけに見られるものではなく,文化的に高いレベルにいる現代人にも,日常の素朴な次元での自然観,幼児の器物を取り扱う態度,さらにはロマン主義的な芸術運動の中などにも見られるものである.<復> アニミズム説については,R・R・マレット(1866—1943年)を中心とするプレアニミズム論者から批判が加えられた.それは主として,タイラーが宗教の起源について一方向的な進化説をとったことに対してであり,実際の宗教現象はそれほど単純ではなく,もっと複雑に錯綜しているものであると述べた.さらにマレットは,アニミズムよりもマナという非人格的な呪力観念のほうが先に存在していたとする.<復> しかしながら,非人格的な力も結局は霊魂観念から生じているという研究もあり,アニミズムは宗教理論一般として,特に霊魂,精霊の観念を中心とした崇拝形態として,今日も宗教学の中で一つの理論としての価値を十分に持っている.特に日本の民族宗教の場合,それは神道によって特色付けられると言えるが,この神道がまさに基本的宗教意識としてアニミズムなのである.日本宗教はこのアニミズムが原質となっていて,仏教も儒教もこの原質によって本質的に日本化されたと理解されるのである.→日本の宗教,汎神論,神道とキリスト教,宗教(神)学.(稲垣久和)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社