《3分で分かる》やみとは?

やみとは?

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やみ…

聖書では,天地創造の記述において,その天地創造の極めて初期の状態的存在を指す語彙として「やみ」([ヘブル語]ホシェク)が使用されている(創世1:2).その聖書本文の記述(創世1:2)からすれば,神による天地創造の初段階の前秩序的状態を指していると言い得る.それゆえに,その「やみ」には,善と悪との対比における悪というような意味は存在しない.「光」([ヘブル語]オール)という語彙で表現されている秩序(→本辞典「光」の項)が,神のことばの権威によってもたらされた時に「光」と対照的に存在するものとして「やみ」が区別された場合にも,聖書の本文は同じ語彙[ヘブル語]ホシェクを使用している(創世1:3‐5).さらに,一般的に「光」として理解される「光線」の存在に対比するものを指しても,「やみ」([ヘブル語]ホシェク)が使用されている(創世1:18).人間の堕落以前におけるこれらの表現「やみ」には,悪的な要素は存在しない.この語「やみ」に,悪または恐怖というような否定的な理念が含まれるようになったのは,人間の堕落以後のようである(創世15:12,出エジプト10:21,22,14:20等).物理的な光の欠如による「やみ」も悲惨であり,恐怖であるが,聖書においては,「やみ」は象徴的な意味を持つ語彙としても否定的な概念で悪的または災禍的なものを指すために用いられている(箴言4:19,イザヤ8:22,9:2〔ヘブル語聖書では9:1〕,13:10,エゼキエル32:8,マタイ6:23,エペソ5:11等).審判の概念と並行して,終末における異象としても「やみ」が預言されている(イザヤ13:9,10,ヨエル2:31,マタイ24:29).また,特異な使用としては,雲が神の臨在の場所を示すために表現的に用いられるように,神の臨在の場所を指すために「やみ」という語彙が用いられている(申命4:11,Ⅰ列王8:12,詩篇97:2等).→光,創造の教理,悪.(服部嘉明)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社