《3分で分かる》ボーンヘファー,ディートリヒとは?

ボーンヘファー,ディートリヒとは?

ボーンヘファー,ディートリヒ…

Bonhoeffer, Dietrich.1906—45年.ドイツのルター派教会牧師,神学者.ブレスラウの精神医学者の子として生れる.若くして神学研究を志し,テュービンゲン,ベルリンの各大学に学び,ハルナック,ゼーベルク,リーツマンの教えを受けた.スペインのバルセロナで牧師補となるが(1928年),その後ニューヨークのユニオン神学校に留学(1930年),帰国後ベルリン大学の私講師(1931年)となる.ヒットラーの政権掌握直後には,ナチス政府はドイツを誤って導くもの,とラジオを通じて鋭く批判した.その後ロンドンにあるドイツ人教会に牧師として仕えたが,1935年にドイツに帰国する.しかし,秘密警察によって,説教すること,ベルリン市へ入ることを禁じられ,フィンケンヴァルデにあった非公認の告白教会研修所所長に就任する(1935年).そこで急迫しつつある時代においての教会の課題を,学問的,実践的に取り上げ,多くの青年牧師を指導して,告白教会に送り出した.ゲシュタポによってこの研修所が閉鎖されてからは(1937年),ケスリン,グロース・シュレーヴィツ,ジーゴルツホーフなどを転々としながら,非合法の形で牧師補の研修を続ける.一時,亡命を考慮してアメリカへ渡るが,断念して帰国(1939年).その後国防軍内部の抵抗派に接近,国防軍情報部に所属して(1940年),教会の仕事をする傍らヒットラー政権に対する地下抵抗運動に参加した.しかし,秘密警察に逮捕され,テーゲルの刑務所に送られ,2年間の収容所生活が始まる(1943年).続いて,アルブレヒトのゲシュタポ拘置所,ビッヘンヴァルト強制収容所などに転々と移され,ナチ政権崩壊直前に処刑された(1945年).収容生活中にも多くの書物を著し,戦後のドイツ教会を初め,全ヨーロッパに絶大な影響を与えた.その著作は,『ボンヘッファー選集』(全9巻)として翻訳されている.(中沢啓介)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社