《3分で分かる》聖人崇敬とは?

聖人崇敬とは?

聖人崇敬…

[ラテン語]Dulia,[英語]Devotion to the Saints.ラテン語ドゥリアはローマ・カトリック教会用語で,崇拝または尊敬を意味することばである.カトリック教会では偶像礼拝の罪を犯すことを避けるため,神に対しては[ラテン語]adratio(崇拝),聖人に対しては[ラテン語]dulia(尊敬),マリヤに対しては[ラテン語]hyperdulia(崇敬),ということばを用いる.<復> 聖人崇拝は,カトリック教会の教理として始まった教えではなく,民間信仰から始まったものである.2世紀にポリュカルポスの弟子エイレーナイオス(イレナエウス)が書いたと言われているスミルナ教会への回状「ポリュカルポスの殉教」の18章で語っているように,殉教者の葬式の当日や毎年その同じ日に墓所の傍らで行われる記念会が,当時の伝統的習慣であった.アンブロシウスやアウグスティーヌスは,このような異教的慣習を禁じた.やがてこれらの慣習は,殉教者の祝日に聖餐式を行うことへと変えられていった.そしてついに,殉教者の墓所の上あるいはその近くに教会堂を建てたりすることにより,殉教者への崇拝を確かなものとしていったのである.そして聖人崇拝は,聖遺物崇拝へと向けられていった.また,この時代は殉教者伝が数多く書かれた時代でもあった.その結果,6世紀末には,教会に聖人の名を付けて呼ぶ習慣が一般的となり,聖人ゆかりの物が保存されている場所への巡礼が盛んに行われるようになった.→聖遺物,マリヤ崇敬,祖先崇拝とキリスト教.<復>〔参考文献〕『教父時代』(キリスト教史第2巻)講談社,第1刷1980;W・ニーゼル『福音と諸教会—信条学教本』改革社,第1刷1978.(太田良一)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社