《3分で分かる》シュライアマハー,フリードリヒ・ダーニエル・エルンストとは?

シュライアマハー,フリードリヒ・ダーニエル・エルンストとは?

スポンサーリンク

シュライアマハー,フリードリヒ・ダーニエル・エルンスト…

Schleiermacher, Friedrich Daniel Ernst.1768—1834年.ドイツの神学者,哲学者.改革派から敬虔派に転じた牧師の子としてブレスラウで生れた.ヘルンフート派兄弟団の学校を経て,ハレ大学に学ぶ.大学を去った後,5年間牧師及び家庭教師として過し,その後,ベルリンの慈善病院付き牧師となった(1796年).その後,ボンメルンの牧師を経て(1802年),ハレ大学の教授に就任し(1804年),大学付設教会の説教者となったが,大学がナポレオンによって占領,閉鎖されたため,ベルリンに帰った(1807年).そこでフンボルト兄弟たちとともにベルリン大学創設に尽力し(1810年),設立後神学部長,後に学長に就任した(1815年).その傍ら,1808年より没するまで,三一教会の牧師を兼ね,説教者としての名声を博した.彼は,敬虔主義的な家庭に育ち,教育を受けたが,学問的批判に対して閉鎖的な授業に反発,独学でカントやプラトーンに学び,またロマン派の文学者や思想家と親交を持ち,哲学や文学の幅広い立場からキリスト教を理解しようとした.彼の著作『宗教論』(U¨ber die Religion),『神学通論』『信仰論』などはこの分野における古典に数えられている.彼によれば,宗教の本質は神からの啓示にあるのではなく,人間に内在する「絶対依存の感情」にある.彼自身の意図は,知識人たちに信仰を弁証することにあったが,その内容は正統的な教会には受け入れられないものであったため,教会の内外に大きな論争を巻き起す結果となった.彼はまた,聖書解釈学においても大きな業績を残し,聖書の文献批判研究の先駆者と言われる.(中沢啓介)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社