《3分で分かる》フィローン(アレキサンドリアの)とは?

フィローン(アレキサンドリアの)とは?

スポンサーリンク

フィローン(アレキサンドリアの)…

[ギリシャ語]Phi´lo~n (Alexandreia),[英語]Philo.前25/20年—紀元45/50年.アレキサンドリアのユダヤ人思想家.ヘレニズム・ユダヤ教の最重要人物.多数の著作を残す.モーセ五書の比喩的解釈によってプラトーンの思想もストア派の思想もすでにモーセの中に存在すると考えた.ヘブル思想とギリシヤ哲学を総合しようとした.彼の目標は哲学ではなく神秘的な神直視であった.ユダヤ教の真理を,知的に洗練されたヘレニズム・ユダヤ人に示すためにギリシヤ哲学を用いた.それゆえ彼の思想は折衷的である.物質界と叡智界の二元論に立っており,モーセ五書の比喩的釈義によって物質界を超えてプラトーンのイデアの叡智界に至ろうとする.またストアのロゴスの概念を用いて超越者絶対者としての神と人間及び物質界の関係を考える.ロゴスは神を世界に啓示し,世界を神に志向させ,人間を神の観想に導く.旧約聖書の比喩的解釈とヘブル思想とギリシヤ哲学の総合という点で,またギリシヤ哲学の真理を聖書の真理の予備と考える点で,フィローンの思想はアレキサンドリア教校(アレキサンドリアのクレーメンス,オーリゲネース)の思想に大きな影響を与えた.アレキサンドリア教校のギリシヤ哲学とキリスト教の積極的折衷主義は理性と信仰の一つの典型を示すものであった.→理性と信仰,ヘレニズム,キリスト教哲学.(春名純人)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社