《3分で分かる》トレルチュ,エルンストとは?

トレルチュ,エルンストとは?

トレルチュ,エルンスト…

Troeltsch, Ernst.1865—1923年.ドイツの神学者,歴史哲学者.アウグスブルクに生れ,ゲッティンゲン,エルランゲン,ベルリンの各大学で神学を学んだ.ゲッティンゲン大学私講師(1890年)を振り出しに,ボン大学組織神学助教授(1892年),ハイデルベルク大学神学教授(1894年),ベルリン大学哲学教授(1914年),プロイセン文部省次官(1919—21年)等を歴任,その活動は神学,哲学,歴史の各分野に及んだ.特に,神学はA・リッチュル,哲学はヴィンデルバントとリッケルト,歴史文化の領域ではW・ディルタイから影響を受けた.彼の生涯の課題は,信仰と知識,啓示と理性,教義と歴史という対立関係を克服することにあった.これら両極を総合することによって,近代啓蒙主義によって引き起されたキリスト教理念の動揺,価値の無秩序化に答えようとした.彼によれば,キリスト教は教義上は絶対だが,ヨーロッパ的価値体系にのみ当てはまるものであり,歴史学の認識対象となる.さらに,宗教の考察には倫理学的な自覚が不可欠である.加えて,宗教理論には文化哲学と共同分業されることが期待されるとし,宗教,歴史,倫理,文化の相関関係を明らかにしようと努力した.数多くの書物は『トレルチ著作集』(全10巻)として刊行されている.(中沢啓介)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社