《1分で分かる》デミウルゴスとは?

デミウルゴスとは?

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デミウルゴス…

ギリシヤ語の「製作者」の意味で,古代ギリシヤでは公共職人をデミウルゴイと呼んだ.プラトーンは世界の形成者てある人格神をデミウルゴスと呼んだが,この考え方が2世紀のキリスト教的グノーシス主義に取り入れられた時,物質的な現世界は滅ぼされるべきであると信じる極端な二元論から,現宇宙・現世界の創造者であるデミウルゴスは旧約の創造神であり,この創造神を回心させるために最高神であるキリストがナザレのイエスとなって遣わされ,創造神は悔い改めるようになったと主張した.このようにグノーシス主義の異端的主張によれば,デミウルゴスとは旧約の神であり,創造神ではあるが,最高神ではない.そして悪の存在の責任者であるとして否定され,旧約もまた否定されるので,旧約と新約の統一が破られることになる.さらに物質を悪と見なす立場から,キリストの肉体や復活も否定されることになる.(富井悠夫)
(出典:『新キリスト教辞典』いのちのことば社, 1991)

新キリスト教辞典
1259頁 定価14000円+税
いのちのことば社