《3分でわかる》ステパノとは?

ステパノとは?

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ステパノとは…

キリスト教がローマ帝国中に急速に拡大していった理由の一つに、殉教者たちの存在がある。彼らの多くは迫害に負けることなく、平安のうちに天を見上げ、祈りながら堂々と死んでいった。それを見ていた人々は感銘を受け、新たにクリスチャンとなった。ただの人を信仰の勇者へと作り変える不思議な力を見たのである。人々は「殉教者の血は教会の種」と言うようになった。

殉教者第1号

こうした殉教者の第1号が、ステパノである。ステパノは、十二弟子ではなかったが、エルサレム教会の指導者の一人であった。教会で食料の配給をめぐって苦情が生じたとき、それを担当するために選ばれた7人のうちの一人である(「使徒の働き」6章5節)。
しかし、ステパノはこのような現実的な問題を処理しただけでなく、キリストの福音を伝える伝道者としても大胆に活躍した。聖書は、彼のことを「信仰と聖霊に満ちた人」「恵みと力に満ちた人」と形容している。事実彼は力強く奇跡を行い、ユダヤ人たちを論争によって説得していた。
議論に負けて、沈黙させられてしまった人々のなかには、ステパノを恨み、最高議会に訴える人々も出て来た。彼らは人々を扇動し、ステパノが神殿と律法を汚すことを言ったと偽証した。ステパノは議会で長い弁明をし、これらの訴えに答えている(「使徒の働き」7章)。しかし、感情的になった人々はステパノの言葉を受け入れることができず、彼を石打ちの刑にしてしまった。

「血」を受け継ぐサウロ

ステパノの殉教の意味は、たんにキリスト教の最初の殉教者だったというだけではない。これを機に教会の方向性が変わったからである。それまでユダヤ人中心だった教会は、次第にサマリヤ人や異邦人に福音を語るようになっていく。
また、ステパノの殉教を見ていた人物のなかに、後のキリスト教史の重要人物がいた。この青年はステパノの姿を見、後にキリストの語りかけを聞き、自分自身クリスチャンとなり、世界を股にかけた伝道者、殉教者となった。この人物こそ、のちに使徒パウロとなるサウロである。この意味でもやはり「殉教者の血は教会の種」であった。
(出典:杉本智俊『聖書人物伝 これだけは知っておきたい127人』フォレストブックス, 2013, 186-187p)

聖書人物伝
千代崎秀雄、鞭木由行、内田和彦、杉本智俊、岸本紘 共著
224頁 定価1,800円+税
いのちのことば社