《3分で分かる》天皇制問題とは?

天皇制問題とは?

天皇制問題…

靖国神社問題などを通して、問題の根底にあるのは天皇制だとの認識が明確化してきた。戦前・戦中のキリスト教会が、信仰を守ろうとしたにもかかわらず、気づかないうちに天皇を現人神(あらひとがみ)とする国家神道を主軸とした国家主義体制にのみこまれ、侵略戦争の遂行に加担していった背景には、天皇制を信仰の問題としてとらえることができなかった現実がある、との認識が戦争責任告白などの取り組みを通して深まってきた。敗戦後、日本のキリスト教会はむしろ天皇制の存続を喜び、戦時下の戦争協力の悔い改めを真剣に考えなかった。そうしたことに気づき、教会の戦争責任を表明する動きは、1960年代になってやっと日本基督教団から出されたが、福音派を含む多くの教会の認識となったのは戦後50年を迎えた1995年前後になってからのことである。1989年の昭和天皇の死去と皇位継承儀式である大嘗祭が当然のように国費で強行されたことによって、天皇が神道の最高位の祭司でありながら、同時に日本国あるいは日本国民全体を巻き込む暗黙の力をもっているという、天皇制の本質が日本の中で今なお生きた現実であることが改めて認識され、キリスト教界では主流派・福音派を問わず、カトリックの一部をも含めて危機感が強まった。2000年第4回日本伝道会議で採択された「沖縄宣言」は、「天皇制」に根ざした日本という国の在り方を根本から問い直すことが、21世紀の日本の教会に与えられた課題である、との自覚を示した。
(2003キリスト教用語集より)