《5分でわかる》エリシャとは?

エリシャとは?

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エリシャとは…

エリヤの仕事の最も重要なものは、優れた後継者を立てたことであろう。エリヤは超人的伝説的な人物だが、後継者エリシャは対照的だ。彼は富農の息子だったが、エリヤに選ばれてその弟子となる。以来、エリヤの昇天までその側近くにあって師に仕え、後継者たるにふさわしい預言者となるために多くのものを学びとった。

預言者たちの師エリシャ

エリヤは孤高の人で、火のような勢いで活動したが、エリシャは民衆のなかに入っていき、人々が親近感をもつような人柄で、水のようにジワジワとその働きを浸透させていった。エリシャも数多くの奇跡を行って、神の人として尊敬されるが、親しまれもする。
その活動の場は師と同じく北王国イスラエルであるが、アハブ以後の王たちに対して、叱責もするが指導助言も惜しまなかったようで、王朝が替わって後も北王国にあって国の師父として、王たちからさえ敬愛されていたようだ。
エリシャが登場する頃には、北王国に預言者たちが多く存在した。アハブ時代の迫害と弾圧で、一時は絶滅したかにみえたが、地下に隠れた者たちも多かったようだ。
アハブ夫妻が非業の死をとげたあと、預言者たちは再び姿を現し、民衆の信仰指導につとめた。その預言者たちが師として指導を仰いだのがエリシャである。
旧約聖書』の代表的な歴史書「列王記」に、「預言者のともがら」と呼ばれる人たちが登場する。「ともがら」とは古い日本語でわかりにくい。新しい共同訳は「仲間たち」とし、ややわかりやすい。原語を直訳すれば、預言者たちの息子たち、である。この表現は同業組合のようなものをさしたという説もある。社会的に認知されているグループだったのだろう。

神からの警告の伝達者

そういう人たちを指導し、育成し、その未亡人などの生活の世話までしている。面倒見がいい預言者だ。とくにエリシャが力を入れたのは後進の指導育成で、そのために預言者学校を作った。校長兼教授、兼食堂主任、しかも寮増築のときには材木をとりに森まで行動をともにした。面倒見のよさも徹底している。
それは、イスラエルという国に預言者がどれほど必要かを、エリシャが強く感じていた結果であろう。
この国民が主なる神から祝福を受け、その祝福を他民族にまでも分け与えるような、そういう幸いな存在になるためには、神の言葉を人々に伝え、その言葉に従うように教え導く預言者が、この国には不可欠である、という確信だった。
国の危機が迫る前後には、エリヤ、エリシャのような預言者が現れた。預言とは未来予言ではない。神からの警告、警報の伝達である。預言者たちがいなかったら、イスラエルは歴史のなかにもっと早く消滅したろう。
エリシャは預言者群の象徴的存在だった。
(出典:千代崎秀雄『聖書人物伝 これだけは知っておきたい127人』フォレストブックス, 2013, 68-69p)

聖書人物伝
千代崎秀雄、鞭木由行、内田和彦、杉本智俊、岸本紘 共著
224頁 定価1,800円+税
いのちのことば社