《5分で分かる》ロトとは?

ロトとは?

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ロト…

([ヘブル語]lôt,[ギリシャ語]Lōt) アブラハムの兄弟ハランの子,テラの孫.アブラハムのおいに当たる(創11:27).父ハランがウルで死んだ後,祖父テラは,アブラハムとサラ,そしてロトを連れてウルを出発した.テラの死後ロトはアブラハムと共にカナンに向かって旅をした(創12:5).そしてカナンからエジプトへの往復にも同行した(創12:10,13:1).エジプト滞在によって家畜が増え,ベテルとアイの間にある牧草地に一緒にいることが困難になった(創13:1‐6)ため,アブラハムの提案によって別れることになった.アブラハムはおいのロトに選択権を与え,ロトはヨルダンの低地全体を選び取ってソドムの近くに住んだ(創13:8‐13).こうしてアブラハムとロトは別の道を歩み始めるが,ロトの歩みは一歩一歩悪を行う者へと近づき,その中に入っていった.しかし一方アブラハムはおじとしての責任を忘れず,ケドルラオメルとその同盟軍がソドムとゴモラを攻撃し,ロトとその財産を奪い去った時,ダマスコの北まで追跡してロトとその財産を取り戻した(創14章).ロトはアブラハムと別れて20年以上ソドムに住んでいたようである.ソドムにやって来た御使いをもてなした行為や,Ⅱペテ2:7‐8から,ロトは義人として振舞っていたことがわかるが,その正しさや信仰はソドムの人々には及ばず,ロトの家族だけがかろうじてさばきの火から逃れることができた有様であった(創19章).しかも,ロトの妻は逃れる時後ろを振り返ったために塩の柱になった(創19:26,ルカ17:32).その後,ロトの娘たちは父と交わり(創19:30以下),モアブ人とアモン人の先祖となった(申2:9,19.参照詩83:8/83:9).アブラハムとロトの物語は,イスラエル人とアモン人,モアブ人との関係を示し,特にイスラエル人の優越性を示している.ユダヤ教の伝説によると,ロトはアブラハムと別れた時点で真の神とも別れた.ロトはアブラハムのとりなしによって滅びを免れたが,それはエジプト滞在中にアブラハムがサラを妹だと言った時,ロトがそれを支持したことへの報いからだったと言う.しかし,ロトに対してのもっと大きな報いは,モアブの女ルツを通してダビデが生まれ,アモンの女ナアマがソロモンの妻となってレハブアムを産み,やがてメシヤが来るということにあった.ロトは,旅人をもてなす態度をアブラハムから学んだのであろう.イスラム教においては,ロトは悪人を叱責するために遣わされた預言者と考えられている.

(出典:富井悠夫『新聖書辞典 新装版』いのちのことば社, 2014)

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