《5分で分かる》ラザロとは?

ラザロとは?

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ラザロ…

([ギリシャ語]Lazaros) ⒈主イエスのたとえに登場する貧乏人ラザロ.ルカ16:19‐31にある,主イエスのたとえの中で,金持ちと共に登場する貧乏人の名前.金持ちの名前はあげられていない.イエスのたとえで,「ラザロ」と,個人の名前を明記しているのは注目に値する.たとえは,地上の場面と死後の場面が鋭い対比をなしている.毎日贅沢に遊び暮らし,自己を義として満足している金持ちと,肉体的にも苦しみ続け,その日の食事にも事欠く,貧乏人ラザロ.しかし,2人が死んだ時,彼らの立場は逆転する.ラザロは,御使いたちによってアブラハムのふところに連れていかれるが,金持ちはハデスで苦しみを受ける.両者の間には大きな淵があり,ラザロから金持ちの所へ行く道は遮断されている.ラザロを自分の家に送り,5人の兄弟たちが自分の轍(てつ)を踏まないように警告してもらいたいとの金持ちの願いも拒絶される.ここで言わんとしていることは,何よりも,モーセと預言者の教え(すなわち聖書)に耳を傾けることが重要なのであり,それのみが人を悔い改めに導くことを教え,この地上での決断が,永遠にかかわることを強調しているのである.
⒉ベタニヤのラザロ.主イエスの友人,マルタとマリヤ(ルカ10:38‐42)の兄弟.彼らの家は,オリーブ山の南東ベタニヤにあった(ヨハ11:1,12:1).イエスは,ラザロの家族と親しく,しばしば訪問していたと思われる(マタ21:17,ルカ10:38‐42,ヨハ11:1以下).イエスは,ラザロを深く愛しており(ヨハ11:5,36),それゆえ姉妹たちは,ラザロの病気をイエスに訴えたのである(ヨハ11:3).
マルタとマリヤの性格については記されているが(ルカ10:38‐42),ラザロの性格や気質については何も知られていないし,彼が語ったことばの一つも記録されていない.ラザロが,ヨハ11,12章の記事に登場するのは,彼の性格や行為のためではなく,イエスが彼の上になされた恵みのみわざとその影響のゆえである.死後4日も経過して,ラザロがよみがえった事実を目撃し,多くのユダヤ人がイエスを信じた(ヨハ11:45).このため,最高議会はイエスを殺す計画を立てるに至った(ヨハ11:53).
最後の過越の前に,イエスがベタニヤに来た時,人々は祝宴を開き(ヨハ12:2以下),ラザロもイエスの同伴者の一人として加わっていた(ヨハ12:1‐8).ラザロのよみがえりを目撃した人々の熱狂的な証言で,ラザロに会うためにも,エルサレムから大勢のユダヤ人がやってきた(ヨハ12:9).このようにラザロは,自らの存在そのものをもって,イエスの救いを人々の前にあかしする生き証人となった.それゆえ,イエス殺害の計画を立てた人々は,ラザロをも殺害しようと相談を始めた(ヨハ12:10).

(出典:宮村武夫『新聖書辞典 新装版』いのちのことば社, 2014)

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