《3分でわかる》マリアとは?

イエスの母マリアとは?

聖母マリヤ…


『羊飼いの礼拝』マッティア・プレティ

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 マリアは、イエス・キリストの母であり、カトリック教会では聖母として称えられています。
 マリアという名は、ギリシヤ語ではマリア、あるいはマリアムと言われ、マリアムはヘブル語のミルヤームのギリシヤ語音訳であり、アラム語ではマルヤームとなります。
また旧約聖書中のモーセの姉ミリヤム、およびビテヤの娘ミリヤムの名に由来します。
 聖書において『イエスの母マリア』の名は、イエスの誕生とそれに続く出来事、イエスのガリラヤ伝道の最中、イエスの十字架の出来事、イエスの昇天後の弟子たちの祈りの時の記述の中に現れ、その他、イエスのガリラヤ伝道中にイエスの母として、カナの婚礼の時、およびマタイ12章46‐50節、マルコ3章31‐35節、ルカ8章19‐21節に出てきます。

聖書によるマリアの記述


 イエスの誕生時の記事からマリアについていくつかのことがわかります。まずマリアの家系についてですが、マリアはアロンの子孫であるエリサベツの親類と記されていて、エリサベツは祭司の家系ですので、マリアも祭司の家系、レビ族に属すると思われます。なお、マリアをダビデ王族の家系とする根強い伝統があります。これは、マリアに対する御使いの御告げに「神である主は彼(イエス)にその父ダビデの王位をお与えになります」とあり、ザカリヤの賛歌の中に「救いの角を、われらのために、しもべダビデの家に立てられた」とあることから始まり、新約聖書においても、新約外典においても、イエスはダビデの子孫であるという伝承があるからだと思われます。

マリアの系図

 またルカによるイエスの系図がマタイのものと異なるため、これをユダヤの習慣による夫の名を書き表したイエスの母方の系図、つまりマリアの系図と想定して、ダビデの家系であることを主張する人々もいます。この伝承は、旧約聖書以来の伝統的なメシヤ信仰が、新約時代まで受け継がれたためと思われ、実際にマリアがダビデの子孫であると確定するのは難しいです。次に、マリアの聖霊による懐妊についてであるが、マリアはヨセフと婚約し、結婚前に聖霊によってみごもり、住民登録のために居住地ナザレからヨセフの故郷ベツレヘムに行き、そこでイエスを産みました。マリアは、処女のままイエスを産みました。

マリアの婚約・結婚までの経緯


『受胎告知』レオナルド・ダ・ヴィンチ
 当時のユダヤの習慣では、婚約期間中の不貞行為は姦淫と見なされ、石打ちの刑に処せられました。処女の場合、婚約期間は約1年です。この習慣のもとで、マリアの受胎を知った婚約者のヨセフは困惑し、マリアを内密に離縁しようとしましたが、その時ヨセフに主の使いの御告げがあり、またマリアにも御使いのことばがあったので、2人は結婚しました。マリアは「神にとって不可能なことは一つもありません」という御使いのことばに対し、「あなたのおことばどおりこの身になりますように」と告白し、イエスの出生に関するすべてのことを深い聖霊の導きにゆだねたのです。御使いからの受胎告知に対する恐れや、神の意志に対する謙遜な献身、またメシヤの母となる光栄に対する賛美を通して知ることのできるマリアは、神に対しての信頼と感謝、人に対しての謙遜、また強い自制心と豊かな旧約理解を持っていました。マリアはイエスの誕生を巡る不思議な出来事を心の中にとどめながらイエスを育てました。しかしマリアは、イエスの語ることばと行いのすべてを完全に理解することはできませんでした。

イエスのガリラヤ伝道とマリア

 次に、イエスのガリラヤ伝道中のマリアですが、この頃には夫ヨセフはすでに死んでいたと思われます。マリアはヨセフの後を継いだイエスを深く信頼していたようです。イエスが伝道のために家を出た後は、弟ヤコブが家を守ったのでしょうが、ガリラヤのカナの婚礼での出来事を見ると、マリアはその後も特別にイエスに信頼していたようです。婚礼の主催者のためにぶどう酒の手配を求める母マリアに対し、イエスは「あなたはわたしと何の関係があるのでしょう。女の方」と言っていますが、マリアはイエスを信頼した上で、宴会の継続のために必要な指示を与えることのできる落ち着いた女性でした。それにもかかわらず、後に群衆がイエスのもとに集まるようになり、イエスが気が狂ったと告げられた時、マリアはイエスの兄弟と共に、イエスを連れ戻しに出かますが、逆にイエスから天国の家族関係を教えさとされます。

マリアの消息

 さて、イエスが十字架につけられた時、マリアがそこに居合わせたことを記すのはヨハネだけです。イエスは「愛する弟子」に母マリアの世話をするように頼みました。マリアはこの時以来エルサレムにとどまっていたと思われ、イエスが復活、昇天し、弟子たちがエルサレムに集まって祈りの時を持った時に、マリアも出席していました。マリアは五旬節の集まりにも参加したと思われますが、その後の消息については明らかではありません。

〔参考文献〕Machen, J. G., The Virgin Birth of Christ, 1932; De Satgé, J., Mary and the Christian Gospel, 1976; Brown, R. E. ed., Mary, 1977; McHugh, J., The Mother of Jesus in the New Testament, 1975; 金本悟新聖書辞典 新装版 いのちのことば社, 2014;

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