ベテルとは?
ベテル…
([ヘブル語]bêt ’ēl) エレ48:13でモアブの守護神ケモシュと同列におかれている偶像神ベテルとは,王国分裂後,北王国イスラエルの初代の王ヤロブアム1世が造ってベテルにすえた金の子牛像である(Ⅰ列12:28‐29).その目的は,民の心を南王国にあるエルサレムから引き離すことにあり,仮庵の祭りの1か月後の第8の月の15日に祭りの日を定め,ベテルの高き所でいけにえをささげ,香をたいた(Ⅰ列12:32‐33).また偶像に仕える者として,レビの子孫でない一般の民の中から祭司を王が任命した(Ⅰ列12:31).
北王国イスラエルは,この罪のために神によってさばかれ,前722年にアッシリヤに捕囚となって王国は滅亡した(Ⅱ列17:21‐23).その後南王国ユダの王ヨシヤによってベテルの偶像は,神の人の預言通りに(Ⅰ列13:1‐5)ことごとく破壊された(Ⅱ列23:15‐16).
(出典:中沢啓介伊藤淑美『新聖書辞典 新装版』いのちのことば社, 2014)