《3分で分かる》バラバとは?

バラバとは?

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バラバ…

([ギリシャ語]Barabbas) 群集の求めで,イエスの代わりにバラバが釈放されたとの記事は,四福音書のいずれにも記録され(マタ27:15‐26,マコ15:6‐15,ルカ23:16‐25,ヨハ18:39‐40),宮の回廊におけるペテロの説教においても言及されている(使3:14).
ヨハネは,「このバラバは強盗であった」(ヨハ18:40)と言っているが,これは単なる物取りを意味しているのではない.バラバ逮捕のきっかけとなった,エルサレムで起こった暴動(ルカ23:19)の動機については伝えられていないが,おそらくローマの支配からの武力による解放を目指す,政治的意図からの企てであり,この事件は当時よく知られたものであったと思われる(マタ27:16,マコ15:7).バラバの支持者たちが,バラバ釈放の要求を提示する機会とした,過越の時にローマ総督が囚人を釈放する習慣については,福音書以外(マタ27:15,マコ15:6,ヨハ18:39),他の文献には言及がないと言われる.しかし,さまざまの理由で囚人を解放した例は伝えられている.祭司長たちは,バラバを支持する群集の要求(参照マコ15:8)を取り上げ,イエスの釈放に傾くピラト(マタ27:17,マコ15:10)を抑え,バラバ釈放へと事態を導いた.このようにしてバラバが釈放されたのは,彼が一般の人々から尊敬され,圧倒的な支持を受けていたからということではなく,イエスのことばと行為が,群集の待望するメシヤ像とあまりにもかけ離れていたため,彼らは失望し,イエスかバラバかの選択に当たり,祭司長たちの影響を決定的に受けたと思われる.
オリゲネス(『マタイ福音書注解』)は,マタ27:16‐17での「バラバ,イエス」との読み方に注目し,これを古い読みと見る.その場合は,ピラトの申し出は,「バラバ・イエスかナザレのイエスか」ということになり,より刺激的である.しかし,この読み方を支持する写本の証拠はあまり強力ではない.
バラバのその後については,何も伝えられていない.

(出典:宮村武夫『新聖書辞典 新装版』いのちのことば社, 2014)

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