パトモスとは?
パトモス…
([ギリシャ語]Patmos) エーゲ海スポラデス群島に属する火山岩の小島.エペソの南西約100キロ,ロドス島の西方に位置する.南北約16キロ,東西9キロで細長く湾曲した形をしている.地表は岩が露出して荒れており,穀物や果実の栽培には適さない.古くはドーリア人やイオニア人が住んだことがあるが,ローマ時代には罪人の流刑地とされていた.
使徒ヨハネは迫害を受けて,この島に流刑となっている間に,神から啓示と幻を与えられ,ヨハネの黙示録を書いた(黙1:9).ヨハネがこのパトモス島に流されたのは,ローマによる迫害の時代である.その時期は,ネロの時代(紀元54―68年在位)ではなく,ドミティアヌスの治世下(81―96年在位)と思われる.
現在,島の南半分は聖ヨハネ修道院の管轄下にあり,ヨハネが幻を見たとされる「黙示の洞穴」が設定されている.
(出典:石黒則年『新聖書辞典 新装版』いのちのことば社, 2014)