《5分で分かる》ゼルバベルとは?

ゼルバベルとは?

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ゼルバベル…

([ヘブル語][アラム語]zerubbābel) 「バビロンの種」という意味であると思われる.南王国ユダ末期の王エコヌヤ(別名エホヤキン)の子であるペダヤの子(Ⅰ歴3:19).しかし,エズ3:2等ではシェアルティエルの子.特に,新約聖書マタイの福音書の系図では,エコニヤの子,サラテルの子,ゾロバベル(マタ1:12)とある.これは,シェアルティエルが子がなくて死に,おいが正式の世継ぎとなったか,ペダヤがレビラート婚(申25:5‐10)によってゼルバベルをもうけたかのいずれかであろう.
この人物は,クロス王の勅令によるバビロンからのエルサレム帰還民約4万2千余のリーダーとして登場する(エズ1‐2章).彼は行政の指導者,総督として立てられ,エホツァダクの子ヨシュアが宗教の指導者,大祭司として立てられた.彼のこの立場は,おそらくダビデ王家直系の子孫であることによるものだろう.前597年頃の生まれ(最近の出土から明らかにされた)で,前538年に捕囚から帰還してエルサレム神殿再建工事に取りかかるが,周囲のサマリヤ人などの妨害ですぐに中止させられた.以来16年,バビロンからの帰還民たちは,初めの志もむなしく,物心両面で貧困の日々を過ごしていた.この時,神の示しを受けて立ち上がったのが,預言者ハガイとゼカリヤである.挫折していた帰還民一同,とりわけ指導者ゼルバベルとヨシュアとには,その叱責,奨励が身にしみたのであろう.彼らは立ち上がって工事を再開し,4年後の前515年,いわゆる第2神殿は完成した.
この間になされたゼカリヤ預言(ゼカ4:6‐10),ハガイ預言(ハガ2:2‐9)などから想像して,ゼルバベルらの指導に対する疑問や軽視といったものが,根強く民の間にはあったようである.それだけに,預言者たちの激励も強烈なものになっていたのであろう.しかし,その後の記録にゼルバベルの名が出てこないことから,預言内容の過激さがペルシヤ政府の不興を買い,免職されたと見る向きもある.
いずれにせよハガ2:22の文字通りの実現は,ゼルバベル自身の時代には起こらなかったようである.このハガイ預言は,イエス・キリストの日に成就した王なるメシヤの預言として受け止めることができる.エズ1:8にあるシェシュバツァルについては,異名同人説なら混乱は少ないが,別人とした場合,ゼルバベルとはおじとおいの関係だという説がある.これは,Ⅰ歴3:18のシェヌアツァルをシェシュバツァルと見るもので,おじが受けた総督の職務を,早い時期においが引き継いだとするのである.全くの他人と見る場合,シェシュバツァルはペルシヤの役人と考えられる.しかし,そうすると,ユダの君主という称号や,神殿の器具を委託された点などで無理が生じてくる.

(出典:下川友也『新聖書辞典 新装版』いのちのことば社, 2014)

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