シリア・フェニキアとは?
シリア・フェニキア…
(新共同訳)([ギリシャ語]Surophoinikissa) 北アフリカのカルタゴ地方に「リボ・フェニキヤ」という地方があったため,それと区別する必要から,「シリヤのフェニキヤ」という意味のこの呼び名が使用された.一般のギリシヤ語文献では,同じ意味で,[ギリシャ語]フェニケー・シュリア,[ギリシャ語]シュロフォイニッサなどとも呼ばれる.パレスチナ北部のレバノン山脈と地中海とにはさまれた南北に細長い地域を指す.新約時代の主要な町としては,ツロ,シドン,サレプタ,トレマイ(旧約のアコ)などがあった.この地で生まれ,ギリシヤ語を日常語としていたと思われるカナンの女がイエスに娘のいやしを求めた時,彼はその真実な信仰を認め,願いを聞かれた(マコ7:25‐30.参照マタ15:22‐28).これはイエスが異邦人にも祝福をもたらしたことを示す典型的な例である.
(出典:石黒則年『新聖書辞典 新装版』いのちのことば社, 2014)