《5分で分かる》サムソンとは?

サムソンとは?

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サムソン…

([ヘブル語]šimšôn,[ギリシャ語]Sampsōn) 「太陽の人」「太陽の子ども」さらには「破壊的」「強健な」という意味があるとされる.士師時代に生まれた士師の一人であり,ペリシテ人に対して大きな力を発揮したイスラエルの英雄である(士13‐16章).士師時代のイスラエルの民にとって,最も恐るべき敵はペリシテ人であり,神はイスラエルの邪悪な行為をさばくためによくペリシテ人を用いられた.サムソンは,ダン部族に属し,父はマノア,母の名は知られていない.彼女は長いこと子がなかったが,主の御告げを受けてサムソンを産んだ.サムソンは誕生の前からナジル人として神に聖別された者であった.ナジル人は,自らを神にささげ,次の3つの誓いを守った.⑴ぶどう酒や強い酒を断ち,ぶどうの実を食べたり,ぶどう汁を飲まないこと.⑵汚れたもの,特に死体にふれないこと.⑶髪の毛を切らないこと.しかしながら,サムソンの生涯は,この3つの誓いを破り,神からの祝福を失うような生涯であった.士14章前半に,サムソンが獅子を殺し,その後,蜂蜜がその死体にたまっているのを見た時,それを集め,自分でも食べ両親にも持っていったことが記されているが,この時サムソンは獅子の死体にふれている.士14章後半で,ティムナにいるペリシテ人の女との婚礼が催されたが,その祝宴の席ではぶどう酒も出されたことは容易に推察できる.
士15‐16章には,有名なサムソンとデリラの物語が出てくる.サムソンがデリラと懇意になった時,ペリシテ人はデリラに高額の賄賂を贈ってサムソンの強さの源を探り出そうとする.デリラはその金を受け取り,サムソンの力の秘密を探り当てるためにあらゆる手練手管を使った.サムソンは,3度デリラに言い逃れのうそをついたが,ついに彼女に屈服し,彼の力はナジル人の誓願にあり,髪の毛をそり落とすなら力がなくなるだろうと打ち明けてしまった.デリラはペリシテ人に通報し,サムソンの髪の毛を7房そり落とさせた.サムソンは容易に捕らえられ,目をえぐりとられた後,牢につながれた.
その後,ペリシテ人の神ダゴンのための集会があった時,サムソンが余興のために引き出された.その時,髪の毛が伸びて力が戻っていたサムソンは,宮の柱に手をかけて宮を破壊し,多くのペリシテ人を殺して自分も死んだ.
サムソンは士師の時代に英雄として生きたが,ナジル人の誓いを破り,神に対して不従順な者となった.カリスマ的指導者が,神に不従順となった時の悪い見本であるが,髪の毛が伸びたことにより,信仰も戻ったのであろう.ヘブ11:32では,信仰の勇者の一人にあげられている.

(出典:金本悟『新聖書辞典 新装版』いのちのことば社, 2014)

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