《3分で分かる》ゲラサとは?

ゲラサとは?

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ゲラサ…

([ギリシャ語]Gerasēnōs) この地名は2つの異なる都市に関係している.一つはトランス・ヨルダンにあり,ヨルダン川の東約30キロにあるデカポリスの一つゲラサ,現在のジェラシュで,もう一つはガリラヤ湖東岸の町ゲルゲサである.福音書に出てくるのはこちらの町であろう.ここでキリストは,墓場に住み悪霊につかれた男と会い,その男から悪霊を追い出した.悪霊は代わりに豚の群れに入ったので,その豚の群れは崖から湖に落ちておぼれ死んでしまった.ゲラサという地名は聖書には見られず,「ガダラ人の地」(マタ8:28),または「ゲラサ人の地」(マコ5:1,ルカ8:26.ルカの方は異本では「ゲルゲサ人の地」)と呼ばれている.
豚の群れがいたことは,ここが異邦人の地であったことを示している.湖の東岸中央のやや北寄り,ワディ・サマクの滝口にケルサまたはゲルガと呼ばれる2つの町の廃墟がある.ここの斜面は,一度下り始めたら途中で止まることができず,下の湖に飛び込んでしまうほど急で,豚の溺死も十分うなずける.最初にこの場所が福音書の舞台であると提唱したのはW・M・トムソンである.この付近には,岩壁を横に掘って作った墓や,石器時代の卓石の遺物が見られる.一方,現代のゲラサつまりジェラシュの旧跡は,ヨルダンの西方のどの地よりもよく保存されている.そこにはいくつかの壮麗な神殿,劇場,バジリカ,宮殿,浴場,競技場などがある.町の南に続く凱旋門はほとんどそのまま残っている.対の列柱がある舗装された大通りが直角に町の中を走り,交差点には4つのがっしりした柱の台座がある.またこのあたりには,数え切れないほどの良質の泉が現存しているところから見ても,相当の人口を有する居住地として,かなり昔から栄えた所であると推測される.

(出典:村上宣道『新聖書辞典 新装版』いのちのことば社, 2014)

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