《5分で分かる》エマオとは?

エマオとは?

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エマオ…

([ギリシャ語]Emmaous) 「温かい井戸」という意味.エルサレムから11キロ離れた所にあり,クレオパともう一人の弟子が旅していた時,復活後のイエスが現れたユダヤの村.現在は同定することが難しい.聖書中にはルカ24:13に1回出てくるだけである.復活後イエスは,エマオの途上でクレオパともう一人の弟子に近づき,彼らと語りつつ歩まれた.そして食事の招待を受け,感謝してパンを裂いた時,2人にはそれがイエスだとわかったが,イエスはその時見えなくなった.ルカが与えている唯一のヒントは「エルサレムから11キロメートル余り離れたエマオという村」ということばである.外的証拠と伝承から,エルサレムの西方ではないかと考えられてきたが,エルサレムから6.4―32キロの間に,エマオとして提唱される村が少なくとも4つある.
⑴カロニエ.エルサレムの西約6キロ,ヨッパ(ヤフォ)への主要街道にある.ヨセフォスはヴェスパシアヌスが紀元75年に「800人の精鋭部隊をエルサレムから30スタディオン(5.6キロ)のエマオと呼ばれる所に」進駐させたと記している(『ユダヤ戦記』7:6:6).これはルカが述べた距離の半分である.この村はおそらくヨシ18:26にある古代のモツァであろう.
⑵エル・クベーベ.エルサレムの北西11キロで,ネビ・サムウィルを通過するローマの公道の北にあり,新約のエマオとの結びつきがあるという大変古い伝承を持っている.1099年に十字軍がこの近くにカステルム・エマウスという名の古いローマのとりでを発見した.フランシスコ会が1878年にクレオパ教会を建立した時,十字軍時代かビザンティンのものと判断されるバジリカの遺跡が発掘された.
⑶アブ・ゴーシュ(19世紀の山賊にちなんでつけられた).主要街道に沿ったエルサレムの西14キロの所にある.ここは旧約のキルヤテ・エアリムと同定される.この地の十字軍の教会はローマのとりでの上に建ち,第10師団のある者がここに駐屯したという碑文がある.しかし,ヨセフォスの言うエマオ植民地はもう少しエルサレムに近い所にある(『ユダヤ戦記』7:6:6).
⑷アムワス(3世紀以降はニコポリス).アヤロンの谷にあり,ヨッパへの街道沿いのエルサレムの西32キロにある.アムワスはエマオという名の名残をとどめており,2つの「温かい井戸」を持っている.さらにここには最も初期の伝承がある.前166年ユダ・マッカバイオスはシリヤのゴルギアスを破った.十字軍はここを新約のエマオと認めているのである.この説に対するおもな反論はエルサレムから30キロ(160スタディオン)離れていることである(ある写本は60の代わりに160と読むが,最良の写本は60スタディオン).

(出典:油井義昭『新聖書辞典 新装版』いのちのことば社, 2014)

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