《5分で分かる》エホヤキムとは?

エホヤキムとは?

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エホヤキム…

([ヘブル語]yehôyāqîm, yôyāqîm) 「主は起こされる」という意味.⒈捕囚から帰還した祭司ヨシュアの子.エルヤシブの父に当たる(ネヘ12:10).祭司エホヤキムの時代の人々と,総督ネヘミヤ,および学者である祭司エズラの時代の人々は,エルサレムの城壁の奉献式に際し,レビ人を捜し出して楽隊を組織し,奉献式を賛美で満たすために奉仕した(ネヘ12:26‐27).
⒉ユダの王.ヨシヤの第2子(Ⅰ歴3:15)で元の名はエルヤキムであった.エジプトの王パロ・ネコは彼を父ヨシヤに代えて王とし,その際にエホヤキムと改名させた(Ⅱ列23:34,Ⅱ歴36:4).先に王となっていた異母弟エホアハズに代わって25歳で王となり,エルサレムで11年間治めた(Ⅱ列23:36).パロ・ネコは多くの貢を要求したので,エホヤキムは民に重税を課した.また彼は不正を行い,主の目の前に悪を行った.預言者エレミヤは「彼(エホヤキム)はここからエルサレムの門まで,引きずられ,投げやられて,ろばが埋められるように埋められる」(エレ22:19)と預言している.しかし彼の死について聖書には詳しいことは記されていない.エホヤキムが王として在位した11年の間にエジプトの勢力は衰え,バビロンが力を増してきた.エホヤキムは3年間バビロンのネブカデネザルに仕えたが,その後反逆した(Ⅱ列24:1).バビロンに攻められたエルサレムはついに陥落し,バビロンに捕囚となって連行された(Ⅱ歴36:6).エホヤキムは主の前に悪を行い,預言者エレミヤを通して語られた主のことばに全く耳を傾けようとしなかった(エレ26‐27章).こうした事が彼の運命を決定的なものにしている.
マタ1章の系図を見ると,その中にエホヤキムの名は出てこない.「ヨシヤに,バビロン移住のころエコニヤとその兄弟たちが生まれた」(マタ1:11)とあるが,ここでエコニヤと言われているのはエホヤキムの子エホヤキンのことである.エホヤキンは,エホヤキムに代わって3か月と10日の間ユダを治めた(Ⅱ歴36:9).短命の王であったが,一応は名を変えて系図で受け止められている.これはおそらくエホヤキムとの比較においてなされた処置であろうと推測される.いずれにせよ,バビロン捕囚というイスラエル史上空前の大事件において渦中の人物となったエホヤキムの立場は,宮はシロのように,町は地の万国ののろいとなると言われているように(エレ26:6),最悪であった.

(出典:久保田周『新聖書辞典 新装版』いのちのことば社, 2014)

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